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パワーインダクタPLEシリーズは、ウェアラブルデバイス等に搭載される小型バッテリーでの動作時に効果を発揮する高効率・低漏洩磁束の超小型パワーインダクタです。
当社独自の構造設計と新たな開発材料を用い、薄膜プロセスによって幅広いインダクタンス値を実現しています。
本記事ではその構造や特徴、用途など皆様に役立つ情報を解りやすく解説します。 

製品の概要

PLEシリーズの概要を図1に示します。

図1 製品の概要
シリーズ PLE***B PLE***D
製品概要 ・TWS(ワイヤレスイヤホン)等の小型ウェアラブルデバイスに最適な超小型パワーインダクタ
・高精度薄膜積層技術によって幅広いインダクタンス値を実現
・高透磁率かつ低ロスの金属磁性材料の採用によって、バッテリー寿命に大きく影響を与える軽負荷時の電源効率を改善
・高密度実装下でも基板、周辺部品へのノイズ影響が少ない漏洩磁束抑制構造
特徴 ・超小型形状で幅広いインダクタンス値
・低損失、高効率
・低漏洩磁束
・使用温度範囲 -40℃~125℃
・コイル縦巻構造
・漏洩磁束は、水平方向
・実装方向を変えても、磁束の向きは変わらない
・コイル横巻構造
・漏洩磁束は、垂直方向
・極性マークあり
・低背
・高密度実装対応
用途

ウェアラブル製品(TWS、スマートウォッチ、補聴器)
小型電源モジュール
通信モジュール(GNSS, Bluetooth等)

製品の構造

PLEシリーズの構造を図2に示します。
PLEシリーズは、薄膜HDDヘッドの技術を応用した薄膜工法と高精度積層のプロセス技術によって、超小型で幅広いインダクタンス値を実現したインダクタです。
新規に高透磁率かつ低ロスの金属磁性材料を開発し、低損失・高効率を実現しました。
形状、コイル巻き方向が異なる2種類の構造でラインアップしています。

図2.製品の構造

PLEシリーズで用いる薄膜工法は以下のような特徴を持っており、超小型パワーインダクタに最適な工法です。
・高精度な積層を実現し、ばらつきを抑えることが可能
・2巻/層以上を実現し、幅広いインダクタンス値をラインアップ

図3に薄膜工法とインダクタの代表的工法である巻線工法および積層工法との比較を示します。

図3. 薄膜工法の特徴

製品の特徴

PLEシリーズはフルシールド構造のため漏洩磁束を抑制し、高密度実装環境下におけるノイズの影響を低減します。
コイルにより発生する磁束の方向はシリーズにより異なり、用途に応じて基板GND面に発生するノイズの影響の低減、
あるいは周辺部品へのノイズ干渉の低減のように最適なシリーズをお選び頂くことができます。

図4. 製品の特徴
シリーズ PLE***B PLE***D
漏洩磁束の向き


基板に対して水平方向


基板に対して垂直方向

小型バッテリーで駆動されるウェアラブルデバイスは、低消費電力が要求されるため、電源駆動方式にPFM(Pulse Frequency Modulation)が使用されます。
PFMはPWM(Pulse Width Modulation)と比較すると、軽負荷時にスイッチング回数を低減することができるため、消費電力を低く抑えられるメリットがあります。
一方でPFMでは、インダクタに流れる交流電流の割合が大きいため、ACR特性が重要です。(図5)

図5. PFMとPWMの比較

PLEシリーズは低ロス材料の採用によりACRが低いため、より大きい形状のフェライトインダクタと比べて高い電源効率を実現しています。

図6. PLEシリーズとフェライトインダクタの電源効率の比較

Vin=3.7V
Vout=1.8V
Fsw=1.5MHz

アプリケーション

PLEシリーズの使用事例を図7の青枠で示します。
超小型形状であるため、TWSや通信モジュール等の高密度実装が必要なデバイスに最適な製品です。
製品の小型・軽量化、電源回路の高効率に貢献します。

図7: アプリケーション

TWS

製品一覧

下記リンクをクリックすると、PLEシリーズの詳細な情報を見たり、サンプルを購入することができます。
さらなるラインアップの拡充を図り、お客様の多種多様なインダクタニーズに対応してまいります。

図8: 製品一覧
  • 一般グレード
シリーズ 用途 LxW寸法 高さ(max.) インダクタンス
(μH)
直流抵抗
(mΩ max.)
定格電流
(A)
PLEA67B
1.0x0.6mm 0.8mm 1.0 265 0.8
2.2 650 0.5
4.7 1080 0.3
PLEA85D
1.0x0.8mm 0.55mm 0.47 120 0.7
1.0 300 0.6
2.2 600 0.4
3.3 1200 0.25

パワーインダクタとは?

パワーインダクタとはDC-DCコンバータなどの電源回路で使用されるインダクタのことで、パワーコイル、パワーチョークなどと呼ばれることもあります。インダクタは自己誘導作用によりエネルギーを蓄える性質をもっており、チョッパ方式のDC-DCコンバータなどは、このインダクタとスイッチング素子を組み合わせることにより、電圧の変換を行っています。(図9参照)
インダクタは工法によって積層タイプ、薄膜タイプ、巻線タイプに分けられますが、パワーインダクタには大電流を流せる巻線タイプが主流で、これにフェライトや軟磁性金属のコアを組み合わせた様々な製品があります。また小型、薄型化が可能な積層タイプ、薄膜タイプも近年では大電流化が進んできています。

図9:DC-DCコンバータ(チョッパ方式・降圧型)とインダクタ

デューティ比(スイッチング周期に対するON時間の比)
の設定により必要な電圧に降下させる。

スイッチングを繰り返す