FAQ
Q.
DC-DCコンバータの入力サージ電流(突入電流)の制限方法を教えてください。
  • 電源/電子負荷
  • >
  • DC入力電源(DC-DCコンバータ)


A. 1. 抵抗を直列に接続する方法

図1
【ポイント】
 ・抵抗を直列に接続することによって、入力サージ電流を制限します。必要な抵抗値は、 R(Ω)=V(V)/Ip(A) より算出します。
 ・この抵抗は、定常状態でも電圧降下を生じ、電力を消費し続けるので抵抗の電力定格や入力電源の供給能力などについて注意する必要があります。


2. サーミスタを直列に接続する方法

図2
【ポイント】
 ・抵抗の代わりにサーミスタを直列に接続することによって、入力サージ電流を制限します。電源投入時には、サーミスタは温度が低い為に高い抵抗値を
  示し、入力サージ電流を制限します。その後、自己発熱によって、温度が上昇すると抵抗値が低下するので、抵抗を用いた場合に比べて定常時の損失を
  減らせます。
 ・回路構成が簡単なわりに効果的ですが、選定時には使用条件などを充分に考慮する必要があります。特に、低温で使用される場合には、自己発熱を加えて
  も抵抗値が下がらない可能性があります。また、反対に高温で使用される場合には、初期状態から抵抗値が低く想定した制限効果が得られない可能性が
  あります。
 ・また、電源を切ってすぐに再投入をした場合にも、初期状態から抵抗値が低く制限効果が得られません。


3.抵抗と半導体スイッチを用いる方法

図3
【ポイント】
 ・抵抗を直列に接続し、それと並列にFETやサイリスタなどの半導体スイッチを接続することによって、入力サージ電流を制限します。電源投入時には、
  半導体スイッチを開放状態として、抵抗により入力サージ電流を制限します。その後、入力電圧などを検出して半導体スイッチを短絡することにより、
  定常状態の損失を抑えます。
 ・他の方法に比べて、入力サージ電流特性を比較的自由に設定できますが、回路構成が複雑となってしまいます。