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ノイズ抑制シート “フレキシールド” IFLシリーズ

静電気対策としての
使用事例と効果

ノイズ抑制シート “フレキシールド” IFLシリーズ/静電気対策としての使用事例と効果

フレキシールドは放射ノイズとともに、静電気放電のようなサージノイズも抑制します。

半導体デバイスは静電気放電のようなサージノイズに脆弱

スマートフォンなどのモバイル機器では、静電気放電(ESD)から回路の誤動作や損傷を防ぐため、チップバリスタなどの保護素子が使用されますが、TDKのノイズ抑制シート”フレキシールド“IFLシリーズ(以下、単に”フレキシールド”と表記します)は、静電気対策としても有効な製品です。その使用事例と効果についてご紹介いたします。
図1はSoCを実装したプリント基板の配線に、静電気放電を印加する試験例の模式図です。配線の周囲には強い電界と磁界が発生してノイズの原因になります。
フレキシールドは電磁ノイズを吸収して熱に変換する特性があります。この特性により、フレキシールドは静電気放電のようなサージノイズのアブソーバとしての機能をもちます。

図1 ESD(静電気放電)印加試験例(模式図)
図1 ESD(静電気放電)印加試験例(模式図)

広帯域にわたるノイズ抑制効果により、静電気放電のピーク電圧を低減します。

静電気放電は広い周波数帯域のノイズ成分を含む

フレキシールドの静電気対策としての効果をIEC61000-4-2のESD試験によって確認してみました。ESD試験に使用される放電波形は、エネルギー蓄積容量と放電抵抗の組み合わせで、さまざまなモデルが規定されています。人体からの静電気放電によってICなどのデバイスの損傷を試験するモデルを人体モデル(HBM)といい、代表的な静電容量値を150pF、抵抗値を330Ωとして規定されています。図2のグラフは無対策の場合と、フレキシールドを使用した場合の測定波形を比較しています(ESD電圧=8000V)。無対策の場合のピーク電圧値は1630Vで、フレキシールドを使用することで1410Vとなり、ピーク電圧値は約15%低下しています。
瞬間的に強く立ち上がる静電気放電の波形は、きわめて広い周波数帯域のノイズ成分を含みます。TDKのノイズ抑制シート”フレキシールド“IFLシリーズは、低周波から高周波までの広帯域ですぐれたノイズ抑制効果を発揮するため、フレキシールドは静電気放電のピーク電圧を下げる効果があるのです。

図2 ESD印加試験とフレキシールドの効果
図2 ESD印加試験とフレキシールドの効果