安全性重視アプリケーション向けの 冗長性を備えた小型アナログTMR角度センサ「TAS4240」
目次
製品説明
TDKのTMR角度センサは、複数のTMR素子を統合しています。一つのセンサモジュールは、それぞれ2個の素子からなるハーフブリッジを2組内蔵したホイートストンブリッジ回路を形成しています。
図1のTMRブリッジの各抵抗の横に示された矢印はピン層の磁化方向を示しています。外部磁場の向きがTMR素子の磁場の向きに平行である場合、素子の抵抗はもっとも小さく、反平行である場合、素子の抵抗はもっとも大きくなります。出力信号の位相差分は90°です。
ブリッジ上でマグネットを回転させると、正弦波と余弦波の信号を出力します。TDKのTMR角度センサは、これらの信号ペアからなる2組のセンサを一つのパッケージに収めることで、冗長性を実現しており、高い安全性と可用性を提供することが可能です。システムレベルでのフェールオペレーショナルなアーキテクチャもサポートできるため、アプリケーションのさらなる効率化・信頼性向上に貢献します。
高感度アナログセンサの「TAS」、「TAA」、「TAB」各シリーズは、360°までの高精度の角度検出が可能であり、幅広い温度範囲、磁場強度範囲にわたってすぐれた安定性を提供します。とりわけ「TAS4240」は、高い性能が求められ、かつスペースに制約のあるアプリケーションでの角度計測に威力を発揮します。TSSOP8パッケージとコンパクトながら、2組のアナログシングルエンド正弦/余弦出力ペアを備え、冗長性を確保しています。
360°検知可能な「TAS4240」は、パワーステアリング、ブレーキブースター、トラクションモータなど、高い安全性が求められるアプリケーションでのブラシレスDCモータのローターの角度/位置検出に好適です。一つのパッケージにハーフブリッジを4個搭載し、2組の分離独立した正弦/余弦出力系統を備えているため、システムレベルでASIL-D対応の相当の高い安全水準を実現できます。一つのセンサが故障しても、もう一方のセンサによって中断のない動作を維持するため、センサデータの可用性が高まります。システムアーキテクチャに応じて、フェールオペレーショナルなコンセプトをサポートすることも可能です。
TDKの最先端TMRセンサは、磁気センサ開発で長年培ってきたノウハウを拠り所に、高度なトンネル磁気抵抗技術を小型パッケージに統合し、磁気センサのさらなる効率化、最適化を実現。検出精度は温度などの環境変化に左右されず、ライフタイムを通じてすぐれた安定性を提供します。幅広い磁場強度範囲にわたって定常的な動作を保証する「TAS4240」は、機能安全要件のとくに厳しい用途にも安心してご利用いただけます。
主要用途
- 電動パワーステアリング、ブレーキブースターなど、高い安全性を要求される用途のブラシレスDCモータや永久磁石モータ(PMSM)の角度/位置検出
- 「TAS4240」センサアレイを用いたリニア一センシング
- 産業用サーボモータ、オートメーション、エンコーダ、ロボット
主な機能と利点
- 360°の非接触角度計測
- 周囲温度-40 °C~+150 °Cで、誤差±1.0°の高い角度精度
- 2組のシングルエンド正弦/余弦出力ペアにより冗長性を確保
- 低消費電力
- ラジアル方向の磁場を検知
- 車載(AEC-Q100)・産業アプリケーション向けに最適化
主要データ
シリーズ | TAS4240 |
パッケージ・タイプ | TSSOP8 |
パッケージ・サイズ | 3 mm×6.4 mm×1.1 mm |
角度精度 | ±1.0°未満(全温度範囲) ±0.3° (周囲温度25 °C、標準) |
動作温度 | 周囲温度-40 °C~+150 °C |
アナログ出力 | シングルエンド、冗長性、1.5 Vp-p(Vcc 5.0 V時、供給電圧に比例) |
ブリッジ抵抗 | 5 kΩ |
検知磁場範囲 | 20~80 mT(推奨) |
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