環境配慮型製品創出の取り組み

TDKの環境配慮型製品創出の取り組み

これまでの経済発展は、熾烈な経済競争を展開し我々の生存基盤である地球に圧力を与え続けてきた結果と言えるでしょう。現在、地球は、汚染吸収能力・資源需要や温暖化に耐えられない状態となっています。
1992年、リオ・デ・ジャネイロで開催された地球サミットにおいて『人類が地球上において環境と調和しつつ、繁栄を続けていくための行動計画(アジェンダ21)』が確認され、『2020年までに化学物質の製造・使用が人の健康と環境にもたらす著しい悪影響を最小化すること』が合意されました。
また、2002年のEU環境政策で策定された第6次環境行動計画『環境2010:私たちの未来、私たちの選択』では、気候変動問題(省エネルギー化)・自然保護と生物多様性(種と生物の多様性の喪失防止)・環境と健康(化学物質管理)・自然資源と廃棄物管理(資源循環)、以上の4分野の革新的な解決策が求められました。そのため、製品の化学物質含有量のみを対象とした製品化学物質政策から、新製品の設計時において全ライフサイクルを通じた4分野で、トータルの環境負荷を最小化できるようにとする統合的製品政策に移行してきました。
このような背景から、各種の製品環境規制が高い環境水準で制定され、革新的な環境技術の創出が期待されています。
TDKは、持続可能な企業経営のための環境施策として、製品がもたらす環境負荷を最小化する製品の開発と、革新・画期的な発想による全く新しい環境技術や新製品の開発を通じて社会に貢献できることを“夢”に、環境配慮型製品の創出に取組んでいます。

環境配慮型製品の考え方

TDKは、構想・企画段階で製品の全ライフサイクルでの著しい環境側面を特定し、開発過程で改善を行い、総合的な評価のもと、トータルで環境負荷を最小化した製品を開発/設計しています。また、構想・企画段階で製品の著しい環境側面の改良策を開発コンセプトとし、「製品アセスメント」の目標とする仕組みを構築しています。環境負荷を最小化する方法は、製品の著しい環境側面を確認し、環境影響度合を測定可能な物理量で数値化して、ライフサイクル全般を考慮して求めます。
TDKは、環境配慮型製品創出の仕組みとして「製品アセスメント」制度を1998年から導入し、すべての開発製品に適用させています。現在では売上金額のほぼ100%の製品が、製品アセスメント基準をクリアした環境配慮型製品となっています。

ライフサイクルと製品アセスメント

製品の原材料から廃棄まで、総合的にライフサイクルを評価

TDKの製品アセスメントは、「規制化学物質の非含有」「資源の有効利用」「消費エネルギーの削減」に大別し、構想・企画段階で製品の各ライフステージ単位で評価しています。例えば、

  • 【部材】グリーン調達による規制物質の不使用
  • 【製造】製造工程での消費エネルギーの削減・規制物質非含有製品の投入
  • 【流通】流通における省エネルギー化・省資源化
  • 【使用】お客様のセットに組み込まれ実際に使用される際の省エネルギー対策
  • 【廃棄】製品寿命を全うし廃棄される時のリサイクルと再利用・化学物質が適切に処理できる構造

これらを総合的に評価し、環境負荷を最小とする製品を開発/設計しています。
2004年度から製品アセスメントを実施する新製品ごとに点数で評価する体制を構築しました。また、2008年から、この点数が一定以上の製品を「ECO LOVE」、さらにその点数が高く、業界トップクラスの技術、機能、形状などを有する製品を「SUPER ECO LOVE」と認定し、紹介しています。

製品ライフサイクルの流れ

評価基準~細分化された環境項目を1点1点定量的に評価

下記表に示すように、ライフサイクルを5段階に分類し、それぞれのライフステージにおいて3つの分野「省エネ、化学物質、資源有効利用」に掘り下げたうえで、さらに細分化された評価項目を1点1点数値化して評価しています。

製品アセスメントの着眼点
省エネ、化学物質、資源有効利用

また、開発製品ごとに構想・企画段階で設定したそれぞれの環境目標値に対し、技術難易度などの定量的評価結果をかけ合わせて総合評価スコアとします。

そして、総合評価スコアが一定基準に到達した開発製品のみが、製品アセスメントの承認を得、環境配慮型製品として認定されます。 また、環境配慮型製品に認定されないと販売できない仕組みが構築されています。