プロダクトオーバービュー アイソレータ/サーキュレータ CUシリーズ
TDKのCUシリーズ アイソレータ/サーキュレータは、携帯電話基地局やマイクロ波中継局の送受信システムのRF部品として使用され、周波数・帯域幅・形状寸法・端子構造および特性仕様など、高周波増幅器の初段用の小電力対応品から終段用の大電力対応品までの幅広製品を取り揃えております。本記事ではTDKアイソレータ/サーキュレータ CUシリーズの特徴について皆様に役立つ情報を解りやすく解説します。
目次
製品について 1 : アイソレータとは?, サーキュレータとは?
アイソレータ | サーキュレータ |
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図1に示す様にサーキュレータの3端子の内のどれか一つの端子に終端抵抗が接続されたものです。図では端子③に終端抵抗が接続されています。端子①から入った高周波信号は低損失で端子②へ伝送するのはサーキュレータと一緒ですが、端子②から入った高周波信号は端子③に接続された終端抵抗に吸収されてしまい、端子①へは殆ど伝わりません。理想的には、終端抵抗からの反射は「0」ですが、通常は多少のミスマッチがあり、そのミスマッチ分の電力が端子③に入力されるのですが、サーキュレータと同様に端子①へ伝送されます。 図1にあるように終端抵抗に吸収された電力は熱に変換され最終的には外部(空気中)へ放出されます。 通常、アイソレータは2端子部品ですから、外から見れば端子②に入った電力はアイソレータで消費され、ほんの一部だけ端子①に伝わるように見えます。 |
図2に示す様に、端子①から入った高周波信号は端子②のみに伝送し、端子②に入った高周波信号は端子③のみに伝送します。 そして端子③に入った高周波信号は端子①へ伝送します。このように決まった方向のみ伝送し、逆方向には伝送しません。 |
製品について 2 : アイソレータとサーキュレータの違い
図3に示す様にサーキュレータに終端抵抗を接続したものがアイソレータとなります。
一般的にサーキュレータにアイソレータの動作をさせるという表現をするため、アイソレータとサーキュレータを混同されてしまう場合があります。
製品について 3 : アイソレータとサーキュレータの使用例
アイソレータ | サーキュレータ |
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図4に示すように、増幅器のインピーダンス整合や終段に使用されるトランジスタの保護、合成器の混変調防止など、反射波による悪影響を除去するために使用されます。 その結果、アイソレータを使わなかった場合と比較して、装置から発生する不要輻射が低減されたり、回路がより安定に動作したり、低消費電力に貢献する場合もあります。 |
図5-(a)に示すようにアンテナのデュプレクサに使用されたり、急峻なBPFと組み合わせて分波回路に使用されたりします(図5-(b))。 また、アイソレータに内蔵された終端抵抗では要求される反射電力の規格を満たさない場合は、終端抵抗を内蔵せず、その代わり図5-(c)に示すようにサーキュレータに終端抵抗を外部に接続しアイソレータとして使う場合もあります。 終端抵抗の代わりにアッテネータ(ATT)を使用することにより反射電力の検出機能付きサーキュレータにもなります(図5-(d))。
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製品について 4 : アイソレータとサーキュレータの主要特性
アイソレータ/サーキュレータは図6に示すように「挿入損失(順方向損失)」・「アイソレーション(逆方向損失)」・「V.S.W.R.」の3つが主要な項目です。
実際に使用する場合はアイソレータ/サーキュレータは周波数特性を持っているので特定の周波数範囲の指定が必要となります。
サーキュレータは1ポートを終端抵抗を接続してアイソレータの動作をさせ評価します。サーキュレータは三回対称回路になっていますから、基本的にはどのポートから見ても特性は同じになります。但し、厳密には微妙に異なりますので、必要に応じて3ポートとも特性を確認する必要がある場合もあります。
TDKアイソレータ/サーキュレータのラインナップ
分類 | アイソレータ | サーキュレータ | |||
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シリーズ名 | CU4S0506 | CU4S0508 | CU4S0509 | CU4S0506 | CU4S0508 |
外観 | |||||
サイズ(mm) | 5mm角 | ||||
Max高さ(mm) | 2.2 | 2.7 | 3.6 | 2.2 | 2.7 |
最大入力 電力(W) |
5 | 5 | 5 | 5 | 5 |
周波数帯(MHz) | 703~2690 | 3300~3700 | 3600~4000 | 869~2690 | 3300~3800 |
挿入損失(dB) | 0.7~1.3 | 1.0 | 1.1 | 0.8~1.05 | 1.2~1.3 |
アイソレーション(dB) | 9~15 | 10 | 9 | 11~14 | 9~10 |
実装方法 | SMD | ||||
使用温度範囲 | -40~105℃ |