NTCRPシリーズの熱時定数(熱応答性)
目次
- NTCRPシリーズ製品概要
- NTCサーミスタ の熱時定数と熱追従性の定義
-
シリコンオイルによる熱時定数測定試験
- 試験方法
- 試験結果 (他社類似品と弊社標 準NTCRPシリーズとの比較)
-
片側受熱による熱応答性
- 試験方法
- 試験結果 (他社類似品と弊社標準NTCRPシ リーズとの比較)
- まとめ
NTCRPシリーズ製品概要
本製品はガラス封止タイプのNTCサーミスタをPPSケースに封止した製品です。先端のケース部は、樹脂注型での封止により業界最小クラスの小型化を実現。搭載箇所の環境/形状に応じて、長方形タイプと円筒タイプの2種類からお選び頂けます。長方形タイプはモーター用平角線やバスバーなど平面への取付、円筒タイプは丸銅線の束への巻き込み設置などに好適です。設置方法にお困りの際は、経験豊富な技術スタッフが最適な搭載ご提案をさせて頂きますので、お気軽にお問合せ下さい。
NTCサーミスタの熱時定数と熱追従性の定義
熱時定数とは
熱時定数とは熱応答性のことであり、温度T1の温度センサが温度T2の環境(空気中、⽔中)に置かれた時、センサの時間による温度変化は指数関数で近似されます。
T(t)=T2+(T1-T2)・e-t/τa
時間t=τの時、
T(τ)=T1+(T2–T1)・(1–1/e)(図2参照)
つまり、時間τの時センサの温度変化は温度差T1-T2の1-1/e=63.2%となります。
この時間τを熱時定数と定義しています。
熱時定数は、温度センサを選定する際に重要なパラメータの1つです。温度センサの熱時定数は、主に以下の要因に影響を受けます。
-設計(例:センサ素子、材料、接合方法、ハウジング形状)
-取り付け構成(例:浸漬、表面実装)
-露出する環境(例:エアフロー、静止空気、液体)
シリコンオイルによる熱時定数測定試験
試験方法
25℃、85℃に安定させたシリコンオイル槽をそれぞれ用意し、サーミスタを25℃のシリコンオイルに浸漬させます。サーミスタの特性が安定した後、サーミスタを85℃の槽へ移動させます。25℃から85℃へ温度を変化させた時のサーミスタの抵抗値-時間特性から、サーミスタの温度が63.2%(62.9℃)まで変化するのに要する時間を測定します。
試験結果 (他社類似品と弊社標準NTCRPシリーズとの比較)
以下がシリコンオイルによる熱時定数測定試験の結果です。数字が小さい方が応答性が早く、TDK製品は他者製品よりも早い結果となりました。
応答性が早いことで正しい温度を瞬時に測ることがでます。
測定製品 | 他社類似製品 | NTCRPシリーズ |
---|---|---|
熱時定数測定結果 | 4.8 秒 | 4.2 秒 |
12.5%
応答性が良い
片側受熱による熱応答性
試験方法
25℃、85℃に安定させたホットプレートをそれぞれ用意し、25℃のホットプレート上にサーミスタを放置します。サーミスタの特性が安定した後、 25℃から85℃のホットプレート上にサーミスタを移動させます。シリコーンチューブとホットプレートが接触している面の反対側は開放状態にします。25℃から85℃へ温度を変化させた時のサーミスタの抵抗値-時間特性から、サーミスタの温度が63.2%(62.9℃)まで変化するのに要する時間を測定します。
試験結果(他社類似品と弊社標準NTCRPシリーズとの比較)
上記片面受熱測定試験の結果、他社類似品に比べ応答性が早い結果となりました。
TDK NTCRPシリーズはケースの樹脂や充填材料などに弊社独自の熱伝導率の良い材料を採用し応答性を高めています。
測定製品 | 他社類似製品 | NTCRPシリーズ |
---|---|---|
熱時定数測定結果 | 18.1 秒 | 12.2 秒 |
32.6%
応答性が良い
まとめ
NTCRPシリーズのシリコンオイルによる熱時定数の測定方法/結果と片面受熱による熱時定数の測定方法/結果についてご紹介しました。NTCRPシリーズについて設計開発、ご購入等のご要望やご質問がございましたらお気軽にお問い合わせください。
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