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アプリケーション & 使用例 / アプリケーションノート
2025年04月
アプリケーションノート
データセンター用サーバ向け液浸冷却システムに適用可能な受動部品

大規模言語モデル(LLM:Large Language Model)の登場以来、さまざまなシーンにおいて人工知能(AI)が活用されるようになり、AIは身近な存在となりました。
このAIの活用を支えているインフラ技術が、AIアクセラレータと呼ばれる、高度で大規模な並列演算が可能なハードウェアシステムです。
現在、AIアクセラレータの多くはデータセンター内に設置される事が多いですが、従来データセンターで利用されてきたサーバ/ストレージ/ネットワークのシステムは、AIアクセラレータの運用に特化した設計ではありません。
その為、AIアクセラレータをデータセンターに設置し、AIに対する需要に応えるサービスを提供する為に多くの技術的課題を解決する必要があります。
なかでも装置の冷却は最重要課題とされ、AIアクセラレータシステム向けの次世代冷却方式の導入が開発されています。
中でも液浸冷却システムはその冷却効果が大きく、最も期待されている技術であると言われています。
本記事では、この液浸冷却方式を使用するAIアクセラレータシステムに向けた当社受動部品製品についての取り組み状況についてご紹介します。
このAIの活用を支えているインフラ技術が、AIアクセラレータと呼ばれる、高度で大規模な並列演算が可能なハードウェアシステムです。
現在、AIアクセラレータの多くはデータセンター内に設置される事が多いですが、従来データセンターで利用されてきたサーバ/ストレージ/ネットワークのシステムは、AIアクセラレータの運用に特化した設計ではありません。
その為、AIアクセラレータをデータセンターに設置し、AIに対する需要に応えるサービスを提供する為に多くの技術的課題を解決する必要があります。
なかでも装置の冷却は最重要課題とされ、AIアクセラレータシステム向けの次世代冷却方式の導入が開発されています。
中でも液浸冷却システムはその冷却効果が大きく、最も期待されている技術であると言われています。
本記事では、この液浸冷却方式を使用するAIアクセラレータシステムに向けた当社受動部品製品についての取り組み状況についてご紹介します。
液浸冷却システム (Immersion Liquid Cooling System) とは
液浸冷却システムとは、データセンターにあるAIアクセラレータ装置を、電気を通さない性質をもつ絶縁性の液体(冷媒)の中にサーバー本体装置を丸ごと浸し、発熱する機器に直接冷媒を触れさせて熱を冷媒に移す事で、効果的にサーバー装置を冷却できるシステムです。
液浸冷却方式の特長としては,
- サーバーの冷却コストを削減
- サーバーの故障率の低減
- 従来方式よりも設置面積削減が可能
- 冷却時の騒音を低減できる
が挙げられ,一方の欠点としては,
- 初期導入コストが高い
- 冷媒の種類によっては装置に冷媒が付着して残り、メンテナンスが煩雑となる
点などが挙げられます。
液浸冷却システムに使われる冷媒 (Coolant Liquid for ILC System)
冷媒として用いられる絶縁性の液体の種類としては,
- 「PFAS(有機フッ素化合物を含む液体)」
- 「シリコン系オイル」
が主に使用されます。
※ PFAS :ペルフルオロアルキル化合物やポリフルオロアルキル化合物を総称する有機フッ素化合物
冷媒は化学物質である為、製品に使われている材料等に対して化学反応による溶融等の影響がないか、長時間液体に浸される事による部品使用材料の電気特性、製品信頼性に対する変化について確認を行う必要があります。
TDKでは、お客様に製品を安心してご使用いただけるよう、確認試験を実施し、その確認結果を準備しております。
TDKにおける液浸冷却システム向け受動部品の各冷媒耐性試験
TDKでは2021年より、液浸冷却システム向け冷媒に対する弊社製品の適合試験の実施や、液浸冷却システムに則した製品開発を行っております。
TDKでは、お客様からの情報を元に、複数種の冷媒に対する受動部品の浸漬試験結果のデータを有しております。
対象となる製品の種類により、既に試験実施結果の準備があるもの,お客様からご要求に応じて試験を実施できるもの等がございます。
下記では試験方法毎をご紹介します。(全製品に対して、全ての試験内容が適用されるとは限りません。)
試験名 | 説明 | 試験結果お客様開示 | |
---|---|---|---|
試験 – 1 | 液体浸漬放置試験 (非通電試験) |
PFAS系・OIL系冷媒に対して対応可能 TDK指定の試験条件により実施・評価 |
対応可能 |
試験 – 2 | Soxhlet 抽出試験 (非通電試験) |
PFAS系冷媒(一部のみ)に対して対応可能 TDK指定の試験条件により実施・評価 |
ご要望により対応 |
試験 – 3 | 液体浸漬通電試験 | 弊社指定OIL系冷媒に対してのみ対応可能 TDK指定の試験条件により実施・評価 |
ご要望により対応 |
TDKの液浸冷却システム用受動部品のご提案
TDKでは様々な製品に対してソリューションを準備しております。
TDK製品シリーズ名 | 製品イメージ | 試験-1 試験結果レポート開示状況 (冷媒種類) |
製品へのリンク | |
---|---|---|---|---|
OIL 系 | PFAS 系 | |||
VLBUC12060120 Series | ✓ | ✓ | Link | |
MPZ1608 Series | ✓ | Coming soon | Link | |
MLZ2012 Series | ✓ | Coming soon | Link | |
MLP2012 Series | ✓ | Coming soon | Link | |
MCZ1210 Series | ✓ | Coming soon | Link |
TDK製品シリーズ名 | 製品イメージ | 試験-1 試験結果レポート開示状況 (冷媒種類) |
製品へのリンク | |
---|---|---|---|---|
OIL 系 | PFAS 系 | |||
C2012 Series | Coming soon | Coming soon | Link |
TDK製品シリーズ名 | 製品イメージ | 試験-1 試験結果レポート開示状況 (冷媒種類) |
製品へのリンク | |
---|---|---|---|---|
OIL 系 | PFAS 系 | |||
B43643 Series | Coming soon | ✓ | Link |
TDK製品シリーズ名 | 製品イメージ | 試験-1 試験結果レポート開示状況 (冷媒種類) |
製品へのリンク | |
---|---|---|---|---|
OIL 系 | PFAS 系 | |||
NTCG104 Series | ✓ | ✓ | Link |
TDK製品シリーズ名 | 製品イメージ | 試験-1 試験結果レポート開示状況 (冷媒種類) |
製品へのリンク | |
---|---|---|---|---|
OIL 系 | PFAS 系 | |||
FS1406 | Coming soon | Coming soon | Link | |
FS3303 | Coming soon | Coming soon | Link |