インダクタ(コイル)

テックノート

プロダクトオーバービュー パワーインダクタ VLSシリーズ

パワーインダクタ VLSシリーズパワーインダクタVLSシリーズは、TDKがこれまで蓄積してきた材料技術や製造工法などを駆使して開発した巻線・磁気シールド(樹脂)タイプのインダクタです。大きく分けるとVLS-HBX/HBUシリーズ、VLS-CXシリーズ、VLS-EX/AF/EX-Hシリーズの3つに分類でき、それぞれ優れた特徴を持っています。本記事ではその構造や特徴、用途など皆様に役立つ情報を解りやすく解説します。

製品の概要

VLS-HBX/HBUシリーズはコアに金属磁性材料を、VLS-CXシリーズ、VLS-EX/AF/EX-Hシリーズはフェライト材料を採用した巻線タイプのインダクタです。どのシリーズも磁性体入りの樹脂で巻線部分を覆うことにより、漏れ磁束を低減しています。

図1:製品の概要
シリーズ
製品概要

金属磁性材料を使用した
巻線・磁気シールドタイプのインダクタ

磁性体に金属材料を用い大電流・低Rdc化を実現し、またシンプルな製品構造を追及し、巻線を磁性体入りの樹脂で覆うことによって漏れ磁束を低減しています。
生産工程は自動化を実現していて、人が製品に触れない工程となっており、高品質・高生産性を同時に実現しています。

フェライト材料を使用した
巻線・磁気シールドタイプのインダクタ

従来の製品からコア形状を最適化することで電気的特性をアップさせ、またシンプルな製品構造を追及し、巻線を磁性体入りの樹脂で覆うことによって漏れ磁束を低減しています。生産工程は自動化を実現していて、人が製品に触れない工程となっており、高品質・高生産性を同時に実現しています。

大電流・低抵抗化を実現した
巻線・磁気シールドタイプのインダクタ

フェライト磁性材料と最適構造設計により、大電流・低Rdcのパワーインダクタを実現しています。コアからコイル完成まで同じ工場で生産することでリードタイムの短縮および自動化生産ラインで安定したものづくりを実現しています。

特徴
  • 磁性体に金属材料を採用し、大電流・低抵抗化を実現
  • 磁気シールド構造で高密度実装が可能
  • 高品質、高生産性による安定供給
  • HBUシリーズは、バックパネルなどの昇圧回路向け
  • コア形状の最適化により、従来品より大電流・低抵抗化を実現
  • 磁性体にフェライト材料を採用し、高耐圧仕様化を実現
  • 磁気シールド構造で高密度実装が可能
  • 高品質、高生産性による安定供給
  • 最適構造設計により、従来品より大電流・低抵抗化を実現
  • 磁気シールド構造で高密度実装が可能
  • 高品質、高生産性による安定供給
  • AFシリーズは、音質改善用途向け
  • EX-Hシリーズは、車載用途向け
用途
  • スマートフォン、タブレット端末
  • その他携帯機器
  • スマートフォン、タブレット端末
  • その他携帯機器
  • TV、STB、ゲーム機器
  • その他AV機器
  • 車載インフォテイメント機器

製品の構造

VLSシリーズの製品構造は、大きく2つに分けられます。VLS-HBX/HBUシリーズ、VLS-CXシリーズは端子電極構造により小型、薄型化を図っています。VLS-EX/AF/EX-Hシリーズは金属端子を採用し、5mm角、6mm角の中型サイズの製品です。

図2:製品の構造
シリーズ
VLS-HBXシリーズ VLS-HBUシリーズVLS-HBXシリーズ
VLS-HBUシリーズ
VLS-CXシリーズVLS-CXシリーズ
VLS-EXシリーズ VLS-AFシリーズ VLS-EX-HシリーズVLS-EXシリーズ
VLS-AFシリーズ
VLS-EX-Hシリーズ
製品構造 VLS-HBXシリーズ VLS-HBUシリーズ VLS-CXシリーズ VLS-EXシリーズ VLS-AFシリーズ VLS-EX-Hシリーズ

製品の特徴

VLS各シリーズの特徴を図3に示します。VLS-HBUシリーズは金属コアをコーティングする事により高耐圧を実現しています。VLS-EX-Hシリーズは使用温度範囲125℃に対応した車載向け製品です。

図3:製品特徴一覧
シリーズ VLS-HBX シリーズ VLS-HBU シリーズ VLS-CX シリーズ VLS-EX シリーズ VLS-AF シリーズ VLS-EX-H
シリーズ
外観 VLS-HBX シリーズ VLS-HBU シリーズ VLS-CX シリーズ VLS-EX シリーズ VLS-AF シリーズ VLS-EX-H シリーズ
使用温度
範囲
-40~105°C
(自己温度上昇含む)
-40~105°C
(自己温度上昇含む)
-40~105°C
(自己温度上昇含む)
-40~125°C
(自己温度上昇含む)
コア 金属 金属+コーティング フェライト フェライト
外装仕様 磁性粉入り外装樹脂
(金属系)
磁性粉入り外装樹脂
(金属系)
磁性粉入り外装樹脂
(フェライト系)
端子電極
仕様
銀電極+めっき 銀電極+めっき 金属端子+めっき
捺印仕様
/工法
極性
/レーザー
極性
/レーザー
極性+L値
/レーザー
L値
/レーザー
極性+L値+製造密版
/レーザー
特徴 標準仕様 金属コアの
コーティングによる
高耐圧仕様
フェライトコア仕様による高耐圧仕様 標準仕様 音質改善仕様 車載グレード車載用途仕様

アプリケーション

各アプリケーション回路毎に最適なVLSのシリーズを図4に示します。VLS-HBUシリーズは昇圧型DC-DCコンバータに、VLS-AFシリーズはDアンプのローパスフィルタ回路に適した製品です。

図4:アプリケーションと製品
アプリケーション DC-DCコンバータ(降圧タイプ) DC-DCコンバータ(昇圧タイプ) Dアンプ ローパスフィルタ
DC-DCコンバータ(降圧タイプ) DC-DCコンバータ(昇圧タイプ) Dアンプ ローパスフィルタ
製品シリーズ  VLS-HBX, VLS-CX, VLS-EX, VLS-EX-H    VLS-HBU    VLS-AF

製品一覧

各シリーズ、形状毎の製品一覧を図5に示します。タイプ名をクリックすると詳細な情報を見たりサンプルを購入する事ができます。

図5:製品一覧
  • 一般グレード一般グレード
  • 車載グレード車載グレード
サイズ
(mm)
高さ
(mm)
VLS-HBX
シリーズ
VLS-HBU
シリーズ
VLS-CX
シリーズ
VLS-EX
シリーズ
VLS-AF
シリーズ
VLS-EX-H
シリーズ
2.0x1.6 1.0 Max. VLS201610HBX-1VLS201610HBX-1   VLS201610CX-1VLS201610CX-1      
1.2 Max. VLS201612HBX-1VLS201612HBX-1   VLS201612CX-1VLS201612CX-1      
2.5x2.0 1.0 Max. VLS252010HBX-1VLS252010HBX-1 VLS252010HBUVLS252010HBU VLS252010CX-1VLS252010CX-1      
1.2 Max. VLS252012HBX-1VLS252012HBX-1 VLS252012HBUVLS252012HBU VLS252012CX-1VLS252012CX-1      
3.0x3.0 1.2 Max. VLS3012HBXVLS3012HBX   VLS3012CX-1VLS3012CX-1      
4.0x4.0 1.2 Max. VLS4012HBXVLS4012HBX          
5.0x5.0 4.5
Max.
      VLS5045EXVLS5045EX   VLS5045EX-HVLS5045EX-H車載向け(125°C)
6.0x6.0 4.5
Max.
      VLS6045EXVLS6045EX VLS6045AFVLS6045AFD-Amp LPF VLS6045EX-HVLS6045EX-H車載向け(125°C)

パワーインダクタとは?

パワーインダクタとはDC-DCコンバータなどの電源回路で使用されるインダクタのことで、パワーコイル、パワーチョークなどと呼ばれることもあります。インダクタは自己誘導作用によりエネルギーを蓄える性質をもっており、チョッパ方式のDC-DCコンバータなどは、このインダクタとスイッチング素子を組み合わせることにより、電圧の変換を行っています。(図6参照)
インダクタは工法によって積層タイプ、薄膜タイプ、巻線タイプに分けられますが、パワーインダクタには大電流を流せる巻線タイプが主流で、これにフェライトや軟磁性金属のコアを組み合わせた様々な製品があります。また小型、薄型化が可能な積層タイプ、薄膜タイプも近年では大電流化が進んできています。

図6:DC-DCコンバータ(チョッパ方式・降圧型)とインダクタ

デューティ比(スイッチング周期に対するON時間の比)
の設定により必要な電圧に降下させる。

スイッチングを繰り返す