パワーインダクタ VLSシリーズ
製品の概要
VLS-HBX/HBUシリーズはコアに金属磁性材料を、VLS-CX/CX-H/CZ-HEシリーズ、VLS-EX/EX-H/EX-Dシリーズはフェライト材料を採用した巻線タイプのインダクタです。
どのシリーズも磁性体入りの樹脂で巻線部分を覆うことにより、漏れ磁束を低減しています。
シリーズ | ||||||||
製品 | 金属磁性材料を使用した 金属材料を採用し、 | フェライト材料を使用した 従来品からコア形状を最適化し、 | フェライト材料を使用した 最適構造設計により、 | |||||
特徴 | 金属コアによる大電流対応 | フェライト材料を使用し、 | 金属端子を採用した | |||||
用途 | ||||||||
スマートフォン | ディスプレイ等 | スマートフォン | 車載用機器 | 車載用機器 | TV、STB、 | 車載用機器 | 車載用機器 | |
製品の構造
VLSシリーズの製品構造は、大きく2つに分けられます。VLS-HBX/HBUシリーズ、VLS-CX/CX-H/CZ-HEシリーズは端子電極構造により小型、薄型化を図っています。
VLS-EX/EX-H/EX-Dシリーズは金属端子を採用し、5mm角、6mm角の中型サイズの製品です。
製品の特徴
VLS各シリーズの特徴を図3に示します。VLS-HBUシリーズは金属コアをコーティングする事により高耐圧を実現しています。
VLS-CX-H/EX-Hシリーズは使用温度範囲125℃、VLS-CZ-HEシリーズは使用温度範囲135℃、VLS-EX-Dシリーズは使用温度範囲150℃に対応した車載向け製品です。
シリーズ | ||||||||
外観 | ||||||||
コア | 金属 | 金属+コーティング | フェライト | |||||
外装樹脂の磁性材料 | 金属 | フェライト | 金属 | |||||
用途 | ||||||||
使用温度範囲 | -40℃~105℃ | -40℃~125℃ | -40℃~135℃ | -40℃~105℃ | -40℃~125℃ | -40℃~150℃ | ||
特徴 | 金属コアによる | 金属コアの | フェライトコア | 銀電極構造に | 広帯域かつ | 0.47~680uHの | 金属端子を採用 | 金属系外装樹脂 |
| サイズ | 2016~4mm角 | 252010, 252012 | 2016~4mm角 | 3~4mm角 | 3mm角 | 5~6mm角 | 5~6mm角 | 5mm角 |
車載仕様品では、弊社樹脂シールドインダクタとしては初めての、150℃の高温環境下でも使用可能なVLS5030EX-Dシリーズをラインアップに追加しました。
コアボリュームを最大限に生かした樹脂シールド構造を採用し、また樹脂シールド機能に金属磁性材料を用いることで、同等サイズの弊社フェライトシールドコイルと比べて優れた電気的特性を実現しています。
アプリケーション
各アプリケーション回路毎に最適なVLSシリーズを図5に示します。
VLS-HBUシリーズは昇圧型DC-DCコンバータに適した製品です。
車載グレードのVLS-EX-Dシリーズは、エンジンルームをはじめとした150℃の高温環境下でお使い頂けます。
アプリケーション | DC-DCコンバータ(降圧タイプ) | DC-DCコンバータ(昇圧タイプ) | |||
製品 | VLS-HBX VLS-CX VLS-EX | VLS-HBU | |||
| VLS-CX-H (~125℃) VLS-EX-H (~125℃) VLS-CZ-HE (~135℃) VLS-EX-D (~150℃) | |||||
また近年、車体重量や材料コストの低減を目的として、カメラとECUの間で1本の同軸ケーブルに信号と電源を重畳させるPoCが採用されるケースが増えていますが、VLS-CX-H/CZ-HE/EX-H/EX-Dシリーズは、PoCの回路で必要な信号と電源を分離するPoCフィルタとしてもお使い頂けます。
製品一覧
各シリーズ、形状毎の製品一覧を図7に示します。タイプ名をクリックすると詳細な情報を見たりサンプルを購入する事ができます。
サイズ(mm) | 高さ(mm) | VLS-HBX | VLS-HBU | VLS-CX | VLS-CX-H | VLS-CZ-HE | VLS-EX | VLS-EX-H | VLS-EX-D |
2.0×1.6 | 1.0 Max. |
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1.2 Max. |
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2.5×2.0 | 1.0 Max. |
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1.2 Max. |
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3.0×3.0 | 1.0 Max. |
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1.2 Max. |
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1.5 Max. |
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4.0×4.0 | 1.2 Max. |
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1.5 Max. |
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2.0 Max. |
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5.0×5.0 | 3.0 Max. |
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4.5 Max. |
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6.0×6.0 | 4.5 Max. |
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パワーインダクタとは?
パワーインダクタとはDC-DCコンバータなどの電源回路で使用されるインダクタのことで、パワーコイル、パワーチョークなどと呼ばれることもあります。インダクタは自己誘導作用によりエネルギーを蓄える性質をもっており、チョッパ方式のDC-DCコンバータなどは、このインダクタとスイッチング素子を組み合わせることにより、電圧の変換を行っています。(図8参照)
インダクタは工法によって積層タイプ、薄膜タイプ、巻線タイプに分けられますが、パワーインダクタには大電流を流せる巻線タイプが主流で、これにフェライトや軟磁性金属のコアを組み合わせた様々な製品があります。また小型、薄型化が可能な積層タイプ、薄膜タイプも近年では大電流化が進んできています。


