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アプリケーションノート
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アプリケーションノート
自動車における死亡事故において車内への幼児置き去りが問題になっています。北米では年平均約39人の幼児が、車内に置き去りとなり、死亡するという事故が起きています(*1)。自動車における死亡者事故を削減する事は関連メーカの使命として課題になっています。そのため自動車メーカー各社は子どもやペットの置き去り検知システムの開発を進めています。本章ではこの「幼児置き去り検知システム」についてTDKの関連部品と技術サービスを紹介します。

幼児置き去り検知システムの概要

幼児置き去り検知システム(Child Presence Detection)は各種センサを用いて車室内の幼児やペットを感知し、運転者に通知、警告するシステムです。欧州の自動車安全性評価機関(Euro-NCAP)では、2022年より車内に置き去りにされた幼児を検知するシステムの搭載について安全性評価を予定しています。ヨーロッパの自動車安全テスト「Euro-NCAP」で評価基準のロードマップ(図1)が策定されており、「幼児置き去り検知システム」の動作評価を2022年から対象に加えることが発表されています。(*2)

(*2) Euro-NCAP

図1.Euro-NCAPの評価のロードマップ

TDKの提案部品

幼児置き去り検知システム(Child Presence Detection)の代表的な回路例とTDK製品を紹介します。

図2.アプリケーションガイド:Child Presence Detection

自動車/セーフティ幼児置き去り検知システム

自動車のセーフティ機構から「幼児置き去り検知システム」に関連するセンサシステムに最適な製品をTDKグループの製品群からインダクタ、EMC対策製品、圧電製品などをご紹介致します。

車内カメラの通信品質に貢献する受動部品<ADLシリーズ>

車内カメラの撮像データを画像解析、AI処理し、置き去り対象物が幼児やペットであることを判断しなければなりません。その最有力候補がカメラによるセンシングです。TDKにおいては、画像デジタル通信に最適なPoC(Power Over Coaxial)方式のキー製品となる、デカップリングインダクタ部品(ADLシリーズ)を中心にした回路ソリューションを提供しています。

図3.PoC伝送システム概要

センサのポートフォリオを拡大するTDK

TDKは磁気抵抗素子(ホールセンサ、TMRセンサ)やMEMSを使用した材料・プロセス・モジュール化技術を用いて、車載市場への提案を促進しています。車内センシングにおいては超音波を使用したジェスチャーセンサやCo2センサ、そしてMEMSマイクロフォンを製品化し、今後様々なセンサの素子と用途開発に取り組みます。MEMSマイクロフォンであれば、幼児やペットの泣き声を分析し、将来のクルマによる高機能な見守り機能を行う時代が来ることも予測されます。

図4.センサ製品ポートフォリオ

ミリ波帯センシング機器開発を支援するTDK製品<電波吸収体、電波暗室>

車室内物体検知方法としてミリ波帯を使用したセンシングが検討されています。周波数は60GHz帯の広帯域を確保したミリ波センシング機能が全世界標準で展開予定です。可視光カメラでの撮像方法に比べ、例えば幼児やペットが毛布を完全に覆ってしまった状態で睡眠している状態では検知ができない課題を克服します。

<マイクロ波電波暗室用電波吸収材:IS材>

発泡ポリエチレンを基材とし、カーボンのオーム損失を利用した 電波吸収体です。
電波吸収材 IS 材は、マイクロ波はもちろんのこと、ミリ波からサ ブミリ波(~1THz)まで優れた電波吸収性能を有しています。

<レーダ、大型アンテナ評価用電波暗室>

図5.マイクロ波電波暗室用電波吸収材:IS材

図6.電波暗室

まとめ

乗員を検知するシステムは今後、“幼児置き去り検知システム”のみならず、 MaaS(Mobility as a Service)や自動運転に必要な車室内乗員管理や制御などにも活用されると予測されます。これらは車内における空調制御や音響制御、さらにエアバック開閉制御まで、快適から安全・安心な空間をもたらすことでしょう。TDKグループでは、⻑年の車載製品の実績によるノウハウや技術を進化させ、価値のあるクルマづくりに貢献し続けます。