ESD対策用チップバリスタの最適なアプリケーションについて
チップバリスタの特徴
チップバリスタはサージ吸収性能とともにノイズ抑制効果もあわせもちます。
下図にチップバリスタの等価回路を示します。チップバリスタは逆向きに接続したツェナーダイオード2素子とコンデンサを並列接続したものと同等です。
逆向きに接続したツェナーダイオード2素子とコンデンサが並列接続した回路と同等。電流-電圧特性は対象で、極性をもちません。
図1 チップバリスタの等価回路
図2 ノイズレベル-周波数特性例の比較
チップバリスタによりノイズ対策とESD対策がともに実現します。
チップバリスタの最適アプリケーション
下図は、各ESD対策用部品のアプリケーション領域を示しています。今回の記事では、特にチップバリスタが優れたアプリケーションについて紹介します。
チップバリスタの最適アプリケーションは青色の領域です。
図3 ESD対策用部品の最適アプリケーション
積層チップバリスタの最適アプリケーションについて
オーディオ回路 (Headphone, Mic, Speaker)
オーディオラインでは、TVSダイオードはノイズ源となり、音量を大きくするため出力を上げると音質を悪化させます。オーディオラインにはチップバリスタが最適なソリューションとなります。
図4 ESD保護部品別 THD+N測定結果
図5 オーディオ回路 ( Headphone, Mic, Speaker )に適した積層チップバリスタの範囲
逆起電力対策 ( 電磁弁、モーターなど )
TDKのチップバリスタは繰り返しサージ耐量にすぐれるのが特長で、ツェナーダイオードと遜色のない特性の製品も、車載グレードAVRシリーズとして提供しています。
図6 繰り返しサージの印加によるバリスタ電圧への影響
図7 逆起電力対策 ( 電磁弁、モーターなど )に適した積層チップバリスタの範囲
静電気対策における積層チップバリスタと積層チップコンデンサの比較
保護部品の静電容量が100pF程度の領域では、積層チップコンデンサに対して、チップバリスタの静電気保護性能は非常に高くなります。
図8 同静電容量を持つ積層チップコンデンサと積層チップバリスタのESD吸収波形
図9 ESD対策用部品の静電容量が100pF程度のアプリケーション
アプリケーション毎の推奨チップバリスタ
Selection Guide
上記で記載した以外にも下表に示すアプリケーションに対して表内のチップバリスタが推奨製品となります。下記表では、アプリケーションに対して、サイズ、使用回路電圧毎に最適な製品を選択することができます。すべて各アプリケーションに対して採用実績のある製品になります。