アプリケーションノートエンジンの吸気・排気の性能を高めるセンサ

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変⾰の時代を迎えている⾃動⾞において、電動化への技術⾰新と普及は重要な課題とされています。
⼀⽅で環境問題対策の取り組みによるCO2削減や排気ガス削減の取り組みはエンジンの⾼効率化開発による対策が必要とされております。
本記事においては、これらの課題に貢献するエンジンの吸気・排気の性能を⾼める為に⽋かせないセンサから、 TDKの温度センサ(NTCサーミスタ)、圧⼒センサトランスミッタ/圧⼒センサダイについて紹介致します。

高効率化をめざすエンジンマネジメントシステムについて

ガソリンエンジン、ディーセルエンジンともにエンジンマネジメントシステムとして様々なセンサ(流量センサ、ガス濃度センサ、NOxセンサ、PMセンサ等)とアクチュエータ(インジェクター、スロットルバルブ、EGRバルブ等)を駆使し、エンジンの高効率化をはかり、環境法規制(燃費基準、排出ガス規制)に対応しています。これらエンジンマネジメントシステムの進化は センサ、アクチュエータの高精度、高応答化、適合プロセス開発によるアルゴリズムの進化によります(図1)。TDKが提供する給排気系温度センサ(NTCサーミスタ)、圧力センサトランスミッタ/圧力センサダイもその一躍を担うセンサとして重要になってきています(図2)。

図1:高精度、複数化が必要になるセンサと高度なエンジン制御の例
図2:給排気系統図とTDKセンサラインナップ

給排気系⽤温度センサ(NTC)について

⾃動⾞の給排気システムで使⽤されるNTCエレメントには⽔温センサ, オイル温度センサ, 温度マニホールド空気圧センサ, 燃料温度センサ, 吸気温センサ, エアフローセンサとしてNTCエレメントがご使⽤頂けます。TDKのNTCサーミスタは⾼感度で⻑期安定性に優れ、豊富なセレクションを提供し、幅広いアプリケーションにご使⽤頂けます。ガラス封⽌型は、コンパクトな設計により非常に短い応答時間を実現します。エポキシ樹脂封⽌型は耐湿性に優れ、⾼精度で広い温度範囲に対応します。

温度センサ(NTC)エレメントの製品概要

特徴

  • ガラス封止アキシャルリード構造のため、高温高湿雰囲気に強く、高信頼性を達成しています。
  • 抵抗温度特性のバラツキを小さく管理しています。
  • 半導体量産技術の応用により、小型化と量産性に優れ、高いコストパフォーマンスを実現しています。
  • 取付状態に合わせたリード線の曲げ加工が可能です。
  • 耐候性改善やガラス部への応力緩和のためにエポキシコーティングが可能です。
表1 温度センサ(NTC)エレメントの製品ラインナップ
  ガラス封止型 樹脂コート型 ボンダブル
タイプ ラジアルリード アキシャルリード ミニセンサ 開発中 チップ
外観
タイプ
(品番)
G15*0/G15*1
(B575*0G1*/B575*1G1*)
NTCDS/NTCDA
/NTCDE/NTCDZ
S864
(B57864S*)
L862
(開発中)
S860
(B57860S*)
特徴
  • 優れた高速応答
  • 小型サイズ
  • 取扱い易い硬質なリード線
  • 耐湿性アップ
  • 高速応答
  • 鉛フリー
  • 狭い温度許容差
  • 優れた長期安定性
  • 高い熱衝撃性
  • 鉛フリー
  • UL認証(E69802)
  • 上下面メタライズ(金または銀)
  • 高温での抵抗値規格が可能
温度範囲 -40 °C to 300 °C -40 °C to 250 °C -55 °C to 155 °C -55 °C to 155 °C -40 °C to 150 °C
リード線
  • ジュメット線(銅クラッドFeNi線)
  • オプション:ガラス部とリード線を絶縁コーティング。(G15*1)温度範囲260℃まで
  • リード間隔のオプション可能
  • ニッケルめっきCP線、スズめっきも可能
  • オプション:リード曲げ加工(NTCDA, NTCDE)
  • オプション:絶縁、応力軽減のコーティング(NTCDZ)温度範囲160℃まで
  • 銀めっき絶縁ニッケル線、AWG30
  • 銀めっき絶縁ニッケル線
  • リードレス型
  • ボンディング可能なNTCチップ
包装 バルク、テーピング バルク
つづら折り
バルク バルク、テーピング テープ
(8インチフレームまで)

給排気系⽤圧⼒センサトランスミッタ/圧⼒センサダイについて

⾃動⾞の給排気システムで使⽤される圧⼒センサトランスミッタには圧⼒センサダイ内蔵されています。燃料制御においては、燃料タンク圧センサ、ポンプ燃料圧センサ、吸気系では⼆次エア吸⼊圧センサ、排気系ではDPF(Diesel particulate filter︔ディーゼル微粒⼦捕集フィルター)やGPF(Gasoline Particulate Filter︔ガソリン微粒⼦捕集フィルター)間の差圧センサ、尿素⽔圧センサにご使⽤いただけます。⾃動⾞の燃費向上、有害な排気ガスの削減において、最新のシステムの要件を満たすには、センサの⻑期的安定性と⾼精度の圧⼒検知が必須となります。

給排気系用の圧力センサダイの製品概要

ウェハ製造、調整、パッケージを社内で一貫生産することによりセンサの高精度化を実現。耐ロバスト性にも優れ、長期間安定的な信号を出力することが可能です。

  • 優れた耐環境性
  • 広使用温度範囲
  • アナログ/デジタル(SENT)出力対応可能

なお、本製品はお客様からのご要求仕様に基づくカスタム製品となりまのすので、詳細につきましてはお問い合わせください。
図5は本品を実現するために各種方式に対応したTDK製 圧力センサダイを内蔵しています。

図3 圧力センサダイのセンシングの各種方法
絶対圧
 
ゲージ圧   差圧
 
図4 圧力センサダイのラインナップ

まとめ

燃費向上、排出ガス削減は⼤幅に改善されていますが、さらなる世界的な規制強化が進められています。それらの対応・解決に向けてTDKグループでは、⻑年の納⼊実績によるノウハウや磨いてきた技術を進化させながら⾃動⾞社会に貢献し続けます。各製品の詳細データについては、本サイトProduct Centerよりご確認ください。また、製品の個別仕様等につきましてはお問い合わせください。