FAQ
Q.
高容量MLCC(積層セラミックチップコンデンサ)測定のヒント (7): 測定電圧の低下は容量測定にどれくらい影響がありますか。
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A. 静電容量と周波数が高くなるにつれ、コンデンサのインピーダンスは低下します。この点を詳しく説明するため、コンデンサのインピーダンスがコンデンサの実電圧にどれくらい影響を及ぼすか、以下の計算例を見てみましょう。

HP4263BとHP4278Aを使用してコンデンサ(C3216Y5V1A106Z)をテストします。公式1の周波数に1kHz、静電容量に10 µFを代入すると、コンデンサのインピーダンスは約16Ωになります。

試験装置からコンデンサに1.0 Vrmsを印加する と、その電圧は容量計のインピーダンスとコンデンサのインピーダンスに分配されます。HP4263Bのインピーダンスは100 Ωのままですが(図1)、HP4278Aのインピーダンスはコンデンサのインピーダンス計算値を表す1.5Ωに変わっています。(図2)その結果、HP4263Bでは印加電圧のほとんどが容量計のインピーダンスを通して低下しますが、HP4278Aではコンデンサは電 圧のほとんどを受け取ることができます)。その結果、HP4263Bの表示値は真値より低くなります。

容量計のOSC電圧を1.0Vrmsに設定しても、印加電圧がすべてコンデンサに供給されるとは限りません。コンデンサの電圧が設定値の約10%になっても不思議はありません。下のグラフを見ると、VACの低下が容量測定値にどのように影響するか分かります(図3)。


図1: HP4263Bのインピーダンス

図2:HP4278Aのインピーダンス

図3:静電容量とAC電圧

下の写真はALCがONのときとOFFのときの違いを示したものです。ALC機能をOFFにすると、コンデンサの実電圧は設定電圧1.0Vrmsの約10%になります。ALC機能をONにすると、コンデンサの電圧は設定電圧のほぼ100%になります。HP4284Aには電圧・電流レベルモニタが付属していますが、電圧計を使用すれば実電圧を確認することもできます。

HP4284AのALC機能









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