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A. これらの値は主にシステムが動作状態を保つ確率の計算に使用されますが、しばしば誤解されたり間違って使用されたりする場合があります。これらの値は、部 品が一定の時間持つことを保証するものではありません。所定の条件では、MTBFが大きいほど部品の動作時間が長くなる確率が高くなることは明らかですが、MTBFは製品寿命を指すものではありません。
例えば、TDKのコンデンサのMTBF値を6918年(16.5 FIT)と想定したとしても、コンデンサがそれほど長く持つという意味ではありません(それほど長時間、部品を試験することは無論できません。) 1年は8760時間(365日 x 1日24時間)とすると、コンデンサが10年間故障せずに動作する確率を求めるには、以下のような計算をします。
- 6,918年の時間 : 60,601,680時間
- 10年の時間 : 87,600時間
- 10年間故障せずに動作する確率 : 87,600時間 /60,601,680時間 = 0.0014455 →e-0.0014455 = 0.99856
確率は%ですから、これは単純に、部品が10年間正常に機能する可能性が99.9%であるということになります。 6918年はコンデンサが故障するまでの時間としては明らかに桁外れな数値です。しかしコンデンサは単独では動作しないと言うことを考えなければなりませ ん。コンデンサは回路の要素として、全体のシステムの一部の機能を担っています。回路の構成要素が壊れると、場合によっては回路全体が機能しなくなりま す。
システム全体のMTBFを計算するには、全てのFIT値の合計を逆数にします。FIT値とは何かを分かりやすくするために例を見てみましょう。ある回路に使用されるコンデンサが70個あるとします。それらのFIT値はすべて16.5(前の例と同じ)とします。MTBFを求めるには、以下のように計算します。
- MTBF = 1/(16.5 x 70) = 0.0008658008658
- 0.0008658008658 x 109 = 865,800時間
この回路にコンデンサが70個ある場合、それらを合計した全体のMTBFは大幅に減少します。この回路が10年後も動作する可能性は、前の例で計算すると90.4%になります。MTBFも865,800時間(およそ98年)と妥当な値となります。
一方、たとえば自動車で使用される場合、故障時間ははるかに伸びます。毎日4時間、1460時間運転すると仮定した場合、MTBF = 865,800/1460、すなわち593年となります。自動車が10年間故障しない確率は、e-(10/593) = 0.983、すなわち98.3%となり、90.4%に比べてはるかに良い数値です。
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