AIの進化とともに、データセンターのネットワークインフラはかつてないスピードで拡大しています。クラウドサービスや5G、AI処理を支えるサーバー群では、膨大なデータの高速伝送が不可欠であり、光トランシーバーはその中核を担っています。光トランシーバーとは、電気信号と光信号を相互に変換し、高速かつ大容量のデータ通信を実現するための通信モジュールです。主にサーバーやスイッチ間の接続に用いられ、データセンターや通信インフラの高速化・大容量化に大きく貢献しています。
今後も市場拡大が見込まれる中、高い信頼性と省スペース化、高速伝送への対応が求められ、温度検知部品の重要性が増しています。これらの課題を克服するには、精密な熱管理が不可欠です。そのため、TDKのボンダブルNTCサーミスタのような温度検知ソリューションが、次世代設計にとって重要となっています。

高速光ネットワークは重大な課題に直面しています。それは「熱」です。
光トランシーバー内部では、レーザーダイオードやドライバICなど発熱源が多く、温度上昇による特性変化や故障リスクが存在します。特にレーザーダイオードは温度変化に非常に敏感であり、温度が上昇するとレーザーの発光波長が乱れ、通信品質の低下や伝送エラーの原因となります。これは、伝送距離が長距離になるほど波長の安定性が重要となるため、遠距離伝送用途では温度検知の精度と信頼性が必須です。

ボンディング可能なNTCサーミスタは、レーザーダイオード近傍の温度をリアルタイムかつ高精度で検知し、温度制御や異常検知を可能にします。これにより、レーザーの波長安定化や素子の長寿命化、製品全体の信頼性向上につながります。

特に、金電極のNTCサーミスタは高い耐久性と信頼性を持ち、光トランシーバーの厳しい動作環境下でも安定した温度検知を実現するため、必須の部品となっています。

TDKはこれらの要求を満たした製品を取り揃えています。

TDKのNTCWSシリーズは、ワイヤーボンディング実装が可能な設計となっており、光トランシーバー用途に最適です。主な特徴は以下の通りです。

🔧 簡易実装で多様なニーズに対応：ワイヤーボンディング対応（上面Auワイヤ、下面AuSnはんだなど多様な実装に対応）
✅ 豊富な生産実績に裏付けられた品質と価格競争力：自動車用NTC素子の量産技術を応用した高品質・競争力ある価格
🛡️ 安心の耐久性： 硫化試験（H2S 5ppm, 40±2℃, 75±3%RH, 240hr）合格の高耐久性
🎯 高精度・高信頼の温度検知：抵抗値公差±1%品もラインナップし、高精度な温度検知が可能

特にTDKのサーミスタは長年にわたり自動車市場に納入実績があり、品質の安定性に特徴があります。信頼性試験では、他社と比較して抵抗値のドリフトが少なく、長期安定性に優れています。

  他社比較データ     

TDKのNTCWSシリーズは、10kΩや100kΩなど多様な抵抗値・B定数のバリエーションを揃えており、用途や実装条件に応じて最適な選択が可能です。主な型番例は以下の通りです。

小型品 （L×W：0.25 × 0.25 mm） の製品もサンプルのご用意があります。詳しくは、下部の資料をダウンロードください。