パワーインダクタ TFMシリーズ
小型メタルパワーインダクタTFMシリーズとは
TFMシリーズの概要を図1に示します。TFM-ALMシリーズをはじめ、さらに特性を向上させた各種シリーズを取り揃えています。
| シリーズ | TFM-ALM | TFM-ALC | TFM-BLD | TFM-BLE | TFM-ALMA | TFM-BLEA | TFM-ALVA |
| 用途 | 民生 (スマートフォン、タブレット端末、その他携帯機器) | 車載 (ADAS、ECU、車載カメラ、レーダー、 | |||||
| 製品概要 | 金属磁性材料を使用した、薄膜タイプのインダクタ | ||||||
| 内部パターンの 最適化で従来品 より特性を向上 | ALMシリーズ から金属材料の 変更と内部 パターンの 最適化を行って、 特性をさらに向上 | 端子電極形状が L字のため、5面 電極品よりも狭 ピッチ実装が可能 | 磁性材料技術と 構造設計で、BLD シリーズより 低抵抗かつ 大電流を実現 | 車載品質に対応 した、150℃ 保証の製品 | 磁性材料技術と 構造設計で、 ALMAシリーズより 低抵抗かつ 大電流を実現 | ALMAシリーズか ら金属材料の 特性を上げ、 耐圧性能を向上 | |
| 特徴 | ・従来品から 直流抵抗、 直流重畳 特性を改善 | ・コイルの 低ロス化 | ・L字電極 | ・低抵抗 ・大電流対応 ・L字電極 | ・AEC-Q200対応 ・低漏洩磁束 ・定格電圧 20V保証 | ・AEC-Q200対応 ・低漏洩磁束 ・定格電圧 20V保証 ・低抵抗 ・大電流対応 ・L字電極 | ・AEC-Q200対応 ・低漏洩磁束 ・定格電圧 40V保証 (バッテリー ラインでも 使用可能) |
業界最高水準の性能を有しながら小型形状を実現したTFMシリーズの構造
TFMシリーズは薄膜プロセスを用いたインダクタです。Cuメッキによってコイルを形成する為自由度の高い設計が可能です。また樹脂電極を採用しており熱や基板たわみなどの応力を緩和します。
独自の材料技術と構造設計で、幅広いラインアップを取り揃えたTFMシリーズの特徴
TFM各シリーズの特徴を図3に示します。TFM-ALMA、BLEA、ALVAシリーズは、150℃対応の車載仕様品です。
シリーズ | TFM-ALM | TFM-ALC | TFM-BLD | TFM-BLE | TFM-ALMA | TFM-BLEA | TFM-ALVA |
外観 | |||||||
使用温度範囲 | -40~125°C | -55~150°C | |||||
磁性材料 | 金属磁性材料 | ||||||
端子電極仕様 | 樹脂電極(導電性樹脂層+メッキ) | ||||||
特徴 | |||||||
・標準仕様 | ・高効率 | ・L字電極 | ・低抵抗 | ・車載標準 | ・車載仕様 | ・車載仕様 | |
民生用途のTFMシリーズでは、直流重畳特性を改善し、高負荷領域の電源効率改善に効果的な大電流タイプから、 軽負荷領域の電源効率改善に効果的な低コアロスタイプまで、幅広いラインアップを取り揃えています。
車載仕様品で新規にラインアップを追加したTFM-BLEAシリーズは、従来のALMAシリーズより低抵抗かつ大電流を実現しており、 車載環境で重視される高負荷領域での電源効率を大きく改善しております。
また電流をインダクタに流した際の温度上昇特性も従来品より発熱が小さく、より小型形状への置き換えで実装面積の削減が可能です。
車載仕様品では、金属磁性材料を新規に開発することで、小型のパワーインダクタでは対応が困難だったバッテリーラインにもお使い頂けるTFM-ALVAシリーズをラインアップしております。
TFMシリーズの使用用途
TFMシリーズの使用事例を図8に示します。TFMシリーズは小型、大電流対応の為、高密度実装が要求されるスマートフォンや車載ECUに最適なインダクタです。
アプリケーション | ブロックダイアグラム |
スマートフォン | |
車載ECU |
TFMシリーズのラインアップ一覧
各シリーズ、形状毎の製品一覧を図9に示します。タイプ名をクリックすると詳細な情報を見たりサンプルを購入する事ができます。
| 用途 | 民生 | 車載 | ||||||
サイズ(mm) | 高さ(mm) | TFM-ALM | TFM-ALC | TFM-BLD | TFM-BLE | TFM-ALMA | TFM-BLEA | TFM-ALVA |
1.4×1.2 | 0.65 Max. | |||||||
0.8 Max. |
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1.6×0.8 | 0.8 Max. |
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2.0×1.2 | 0.8 Max. |
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1.0 Max. |
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2.0×1.6 | 1.0 Max. |
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1.2 Max. |
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2.5×2.0 | 1.2 Max. |
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3.2×2.5 | 1.2 Max. |
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パワーインダクタとは?
パワーインダクタとはDC-DCコンバータなどの電源回路で使用されるインダクタのことで、パワーコイル、パワーチョークなどと呼ばれることもあります。インダクタは自己誘導作用によりエネルギーを蓄える性質をもっており、チョッパ方式のDC-DCコンバータなどは、このインダクタとスイッチング素子を組み合わせることにより、電圧の変換を行っています。(図10参照)
インダクタは工法によって積層タイプ、薄膜タイプ、巻線タイプに分けられますが、パワーインダクタには大電流を流せる巻線タイプが主流で、これにフェライトや軟磁性金属のコアを組み合わせた様々な製品があります。また小型、薄型化が可能な積層タイプ、薄膜タイプも近年では大電流化が進んできています。




