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ドローン用センサ

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TDK は、コンシューマモデル/プロシューマモデルから工業用ユニットまで、あらゆるタイプのドローンに最適なセンサを提供しています。
 
わずか数年の間に、ドローンは、農業、不動産、映画撮影など、さまざまな分野において、欠かせないものになりました。これらの成功だけに止まらず、ドローンは、配達、検査、捜索・救助、監視、地図作成など、さまざまな用途に適しており、無限の可能性があります。
 
ドローンの実用性の基本は、センサ技術にあります。ドローンは、主に2つの目的のために、多様なセンサを使用しています。1つは飛行やナビゲーションなどの独自機能。そして2つ目は視覚用カメラ、活動を感知するためのモーション検知、熱を検出するための温度センサなどの補助的機能です。

ドローン用センサ

ドローンの飛行安定性はすでに優れていますが、なぜそれをさらに向上させるのでしょうか。ドローンに期待されている用途の 1 つは、人間が到達するのが難しい構造物(例えば高い橋、遠隔地のパイプライン、携帯電話の電波塔)の構造的完全性を検査することです。例えば、髪の毛のように細い亀裂やコネクタの緩みを検出できるかどうかは、飛行中にドローンが十分に静止しているかどうかに左右されます。

多くの新たな用途では、高い安全性が要求されることでしょう。宅配に使用されるドローンは、飛行中に行方不明になったり、故障したりすることがあってはなりません。ドローンが、屋内(例えば、自動化された工場のラインやパイプの監視)や常に人間に接近するかもしれない場所(例えば倉庫)で使用されるようになっても同じことが言えるでしょう。精密さ、正確さ、信頼性の全てが、今後用途が拡大されていく上でさらに重大な要素となるでしょう。

性能や安全性が高まるにつれて、ドローンはより便利なものへと進化していきます。そして、多くの異なる種類のセンサや優れたパフォーマンス特性を有するセンサを使用することによって、ドローンはより高性能かつ安全になります。

それに対応するため、TDKは以下のようなドローン用のセンサポートフォリオを用意しています。

IMU (イナーシャル・メジャーメント・ユニット) TDK SmartMotion / SmartIndustrial™
光学式手ぶれ補正(OIS)センサ TDK SmartMotion™
気圧センサ TDK SmartPressure™
MEMSマイクロフォン TDK SmartSound™
超音波ToFセンサ TDK SmartSonic™
温度センサ TDK G541系列

TDKのセンサは精密かつ正確、そして信頼性が高いことで注目されています。当社はドローン用のセンサラインナップを幅広くサポートしているマイクロコントローラーと、組み込み式モーターコントローラー、そして他社にはできないようなソフトウェアサポートによってバックアップが可能です。

IMU (イナーシャル・メジャーメント・ユニット)/光学式手ぶれ補正(OIS)センサ

TDK は、IMU (イナーシャル・メジャーメント・ユニット)の大手プロバイダーです。IMU は、3軸加速度計と3軸ジャイロスコープを組み合わせて、安定した飛行を維持するために必要なデータをドローンに提供し、GPS などの他のシステムと融合して推測航法に使用されます。これらは重要な機能であるため、精度と冗長性を高めるために1機のドローンに複数のIMUを組み込むことができます。

これが重要である背景はいくつかあります。IMUは、他のナビゲーションシステム (GPS など) がブロックされたり、遮断されたり、完全に故障した場合のバックアップとして使用することができます。GPSのようなサービスが全く利用できない用途もあります。鉱山が良い例です。

TDKは革新し続け、性能と信頼性を次のレベルに引き上げる数々の産業用グレードのセンサとモジュールで、当社のコンシューマグレードのIMU製品ラインナップを補完しています。新ラインは、ロボット、農業、ハイエンドの精密な用途をターゲットとしています。

TDKは、スマートフォンの手ぶれ補正機能を提供する独自の専門技術を開発してきました。これらの技術は、ドローンに簡単に応用できます。

電子式手ぶれ補正(EIS:Electronic Image Stabilization) は、IMUデータを使用してソフトウェアで動きを補正します。これは、画像データを取り込み、ソフトウェア技術を応用して、カメラが動くことによって生じる歪みを補正する手法です。光学式手ぶれ補正 (OIS:Optical Image Stabilization ) は、ハードウェアで動きを補正します。これは、カメラが経験した動きを解析し、レンズを物理的に操作して動きを補正する手法です。これらの技術は同時に使用することができます。

OIS/EISは、2つの目的を果たすことができる、異なったセンサーをベースとした機能です。視覚ベースの位置特定と障害物回避のための飛行安定性はまだ異なるインプットを使用しています。ドローンは静止画と動画の両方を撮影する空中カメラとして人気を博しました。 IMUとOIS/EIS ソフトウェアがあれば、あらゆるドローンを高解像度のフォトグラファーへと変身させることができます。

気圧センサ

TDKの圧力センサは、気圧の変化を正確に測定します。圧力センサは、民間航空機で高度を決定するために長い間使用されてきました。ドローンは同じ目的でそれらを使用できます。圧力センサは、IMUと組み合わせて使用する際、高度制御を助けることでドローンの安定性に貢献することができます。

ドローンがより一般的になるにつれて、ドローンの飛行はますます規制対象になっています。FAAを含む多くの規制当局は、飛行上限を設定しています。

MEMSマイクロフォン

TDKの高性能MEMSマイクロフォンは、十分なダイナミックレンジと低電力を提供し、騒音の多いドローンでもクリアな音声データを取得できます。強力なマイクロフォン配列は、音声シグネチャをとらえるのに役立ち、プロペラノイズ除去、アクティブノイズキャンセリング (ANC)、カメラからの高解像度オーディオ/ビデオ等のソリューションを提供することができます。

ドローンの自己診断にはマイクロフォンを使用できるようにしなければなりません。モーターの障害には、独特の特徴的音声があることが多いです。ドローンがより高度にかつ、より高価になるつれて、初期不具合がシステム障害につながる前に検知する能力がもっともなものとなる可能性があります。

また、マイクロフォンの採用は、常に音声制御の可能性を示唆してきました。この機能は、TDKがMEMSマイクロフォンやANC技術を向上させていくことにより、ドローンメーカーが音声コマンドなどの、よりユーザーフレンドリーなインターフェイスオプションを検討し、より身近なものになっていきます。

超音波ToFセンサ

TDKの超音波ToFセンサは、MEMS PMUT(圧電型微細加工超音波トランスデューサ)の技術がベースとなっております。10センチメートルから 5メートルまでの物体を検出することができます。当社のToFセンサを搭載したドローンは、物体を検出して、それらの物体から離れるようにして操縦することができます。
衝突回避は、ドローンの損傷を防ぐだけでなく、接近する人や物体の安全を確保するためにも重要です。下向きに取り付けられているToFセンサは、このような目的だけでなく、正確性を補助し自動着陸を行うためにも使用することができます。
TDK の超音波ToF技術は、着陸しようとしている表面の性質を正確に検出することもできます。さらに重要なことは、よく問題となる、ドローンの水上着陸を回避するのにも役立ちます。

温度センサ

TDK 温度センサは、ドローン用E-モーター巻線の温度制御をサポートすることができます。センサは動作中の温度上昇を測定し、オーバーヒートの可能性を検知します。
このような最適化された熱管理により、バッテリーとE-モーターの長寿命化に貢献し、ドローンの安全な操作が保証されます。従来の電力基準の温度計算に加えて、温度の冗長制御をすることにより、ドローンの操縦と降下の制御が可能になります。当社の小径のG541シリーズは、応答時間が速く、動作温度は最大260℃です。

What’s next?

TDKのセンサ技術は進化をし続けています。例えば、ドローン用に磁力計の使用を使用できないかと検討しています。磁力計は、方向決定に役立ちます。スマートフォンは、位置感知用のセンサとして磁力計を使用します。その機能は、ドローンでも採用することができます。また、モーターの回転は、磁力計を使用すると非常に正確に検出することができます。ドローンは、ローターの速度を相対的に調整することで航行します。ドローンの飛行精度を向上させる方法の一つは、ドローンのモーターをより正確に制御することであり、それはモーター速度のより正確な検出に依存します。

これは一例に過ぎません。ドローンは、その本質的な性能とそれができることの観点から言えば、どんどん進化していきます。TDKはその全てを、自社のセンサ技術で可能にしています。