パワーインダクタ BCLシリーズ
本記事では、BCLシリーズの構造や特徴、用途など皆様に役立つ情報を分かりやすく解説します。
車載用メタルパワーインダクタBCLシリーズとは
BCLシリーズの概要を図1に示します。
BCLシリーズは、平角ワイヤーを用いて低RDCを実現した低インダクタンスのBCL3520FTと細いワイヤーを用いて高インダクタンスを実現したBCL322520RTの2つのシリーズをラインナップしています。
| シリーズ | BCL3520FT | BCL322520RT |
| 製品概要 | ・金属磁性材料を使用した巻線パワーインダクタ | ・金属磁性材料を使用した巻線パワーインダクタ |
BCL3520FT外観 |
BCL322520RT外観 | |
| 特徴 | ・使用温度範囲は、-55℃~+155℃で高温環境に対応(自己温度上昇含む) ・一体構造による低漏洩磁束 ・高効率 ・定格電圧40V ・AEC-Q200対応 | |
| 低インダクタンス (0.15~2.2μH) | 高インダクタンス (2.2~100μH) | |
| 用途 | 車載(ADAS、各種ECU) | |
金属磁性材料で幅広いインダクタンスのラインナップを実現したBCLシリーズの構造
BCLシリーズの構造を図2に示します。
BCLシリーズは、巻線工法を用いたインダクタです。
空芯コイルを金属磁性材料でモールドし、底面に引き出したワイヤーを端子に接続しています。
独自の材料技術と構造設計で実現したBCLシリーズの特徴
BCLシリーズは、直流重畳特性に優れた金属磁性材料を使用しているため、同等形状のフェライトインダクタよりも大電流に対応しています。
インダクタンス 10μH
また、同等形状の他社類似品やTDKのフェライトインダクタと比べて低RDCを実現しており、大電流が要求される電源回路において、発熱や電力損失を抑制し、高効率化に貢献します。
【測定条件】
駆動周波数 Fsw=2.2MHz
Vin=12V, Vout=5.0V
コイルが金属材料で完全にモールドされた構造であるため、低漏洩磁束となっており、BCLシリーズをご使用頂くことで、回路の高効率化とノイズ低減、大電流対応、小型化が可能です。
| TDK BCL3520FT (3.3x3.5x2.0mm) | Company A Metal composite (3.2x3.5x2.0mm) | TDK Ferrite Semi-Shield (3.0x3.0x1.5mm) | TDK Ferrite Shield (4.5x3.0x2.0mm) |
Peak Level [dBuV] | |
| BCL類似形状 |
|
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| Horizontal | Peak Level : 94.1 [dBuV]
| Peak Level : 98.4 [dBuV]
| Peak Level : 96.4 [dBuV]
| Peak Level : 92.0 [dBuV]
| |
| Vertical | Peak Level : 99.1 [dBuV]
| Peak Level : 104.6 [dBuV]
| Peak Level : 99.9 [dBuV]
| Peak Level : 94.3 [dBuV]
|
【測定条件】
インダクタンス 1.0μH
駆動周波数 Fsw=2.2MHz
Vin=12V、Vout=5.0V
Iout=1.5A
BCLシリーズの使用用途
BCLシリーズの使用事例を図6に示します。
40Vの耐圧保証のため、12V電源の入力フィルタや、DC/DCコンバータに使用することができます。3mm角形状において、幅広いインダクタンスラインナップを有しており、スイッチング周波数やインダクタンス値、電流値などに合わせて最適な製品をお選び頂くことができます。
従来のフェライトインダクタに比べて、大電流対応、小型化、高密度実装が可能です。
BCLシリーズのラインナップ一覧
下記リンクをクリックすると、BCLシリーズの詳細な情報を見たり、サンプルを購入することができます。
さらなるラインナップの拡充により、お客様の多種多様な電源回路用インダクタニーズに対応してまいります。
| シリーズ | 用途 | L寸法 ±0.2mm | W寸法 ±0.2mm | T寸法 max. | インダクタンス(μH) ±20% | 直流抵抗(Ω) Typ. | 定格電流 Isat(A) Typ. |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| BCL3520FT |
車載グレード | 3.3 | 3.5 | 2.0 | 0.15~2.2 | 0.0027~0.021 | 4.5~15.9 |
| BCL322520RT | 3.2 | 2.5 | 2.0 | 2.2~100 | 0.055~1.99 | 0.70~4.31 |
パワーインダクタとは?
パワーインダクタとはDC-DCコンバータなどの電源回路で使用されるインダクタのことで、パワーコイル、パワーチョークなどと呼ばれることもあります。インダクタは自己誘導作用によりエネルギーを蓄える性質をもっており、チョッパ方式のDC-DCコンバータなどは、このインダクタとスイッチング素子を組み合わせることにより、電圧の変換を行っています。(図8参照)
インダクタは工法によって積層タイプ、薄膜タイプ、巻線タイプに分けられますが、パワーインダクタには大電流を流せる巻線タイプが主流で、これにフェライトや軟磁性金属のコアを組み合わせた様々な製品があります。また小型、薄型化が可能な積層タイプ、薄膜タイプも近年では大電流化が進んできています。


