プロダクトオーバービュー パワーインダクタ SPMシリーズ
パワーインダクタSPMシリーズは、金属磁性粉末でコイルを一体成型したメタルコンポジットタイプの巻線インダクタです。フェライト系巻線インダクタと比べ、大電流、低Rdc、小型化が実現でき、直流重畳特性にも優れています。また漏れ磁束も少なくコイルの音鳴き対策にも有効な製品です。本記事ではその構造や特徴、用途など皆様に役立つ情報を解りやすく解説します。目次
製品の概要
SPMシリーズは金属磁性粉末でコイルを一体成型したインダクタです。低背型のSPM-LRシリーズや車載向けのSPM-HZシーリーズなど豊富なラインナップを取り揃えています。
シリーズ | ||||||
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製品概要 | メタルコンポジット
磁性粉末で巻線コイルを一体成形したインダクタです。 |
メタルコンポジット
磁性粉末で巻線コイルを一体成形したインダクタです。 |
メタルコンポジット
磁性粉末で巻線コイルを一体成形したインダクタです。 |
メタルコンポジット
磁性粉末で巻線コイルを一体成形したインダクタです。 |
メタルコンポジット
磁性粉末で巻線コイルを一体成形したインダクタです。 |
メタルコンポジット
磁性粉末で巻線コイルを一体成形したインダクタです。 |
特徴 |
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用途 |
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製品の構造
各SPMシリーズの構造を図2に示します。一体成型方式の構造でまたワイヤーと端子の継線には溶接工法を採用しており高い信頼性を実現しています。
シリーズ | SPMシリーズ | SPM-LRシリーズ | SPM-XTシリーズ | SPM-CTシリーズ | SPM-HZシリーズ | SPM-VTシリーズ |
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製品構造 |
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製品の特徴
SPM各シリーズの特徴を図3に示します。
シリーズ | SPMシリーズ | SPM-LRシリーズ | SPM-XTシリーズ | SPM-CTシリーズ | SPM-HZシリーズ | SPM-VTシリーズ |
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外観 | ||||||
使用温度 範囲 |
-40~125°C (自己温度上昇含む) |
-55~155°C (自己温度上昇含む) |
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磁性材料 | 金属磁性材料 | |||||
端子電極 仕様 |
金属端子+メッキ | ワイヤー共線電極+メッキ | 金属端子+メッキ | |||
特徴 | 標準仕様 | 低背仕様 | 大電流仕様 | 高周波HighQ仕様 | 車載用途仕様 |
SPMシリーズの大きな特徴の一つが金属磁性コアです。フェライトコアと比較すると高い磁気飽和密度を持っており直流重畳特性に優れています。またキュリー温度が高く、環境温度による特性変化が小さいのも特徴です。
コア材特性による高い磁気飽和
優れた直流重畳特性
コア材特性による高いキュリー温度
環境温度に対する温度変化性
SPMシリーズは磁性粉末で巻線コイルを一体成型している為コアギャップがなく、音鳴きが発生しにくい構造です。また漏れ磁束も少なく優れたシールド特性を持っています。
コアギャップレス(一体構造)による音鳴き低減
セット品質向上に寄与
音鳴きが発生しにくい
シールド構造で低漏れ磁束
EMI低減に効果
垂直近傍磁界測定結果
製品一覧
各シリーズ、形状毎の製品一覧を図8に示します。タイプ名をクリックすると詳細な情報を見たりサンプルを購入する事ができます。
- 一般グレード
- 車載グレード
サイズ (mm) |
SPMシリーズ | SPM-LRシリーズ | SPM-XTシリーズ | SPM-CTシリーズ | SPM-HZシリーズ | SPM-VTシリーズ |
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3mm角 | 3.2x3.0mm SPM3010-LR SPM3012-LR SPM3015-LR SPM3020-LR |
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4mm角 | SPM4030 |
4.2x4.0mmSPM4010-LR SPM4012-LR SPM4015-LR SPM4020-LR |
4.4x4.1mmSPM4030-HZ |
4.2x4.0mm|||
5mm角 | SPM5030 |
5.2x5.0mmSPM5010-LR SPM5012-LR SPM5015-LR SPM5020-LR |
5.4x5.1mmSPM5030-HZ |
5.2x5.0mm|||
6mm角 | SPM6530 SPM6550 |
7.1x6.5mmSPM6550CT |
7.1x6.5mmSPM6530-HZ SPM6550-HZ |
7.1x6.5mm|||
7mm角 | SPM7054VT |
7.5x7.0mm|||||
10mm角 | SPM10040 |
10.7x10.0mmSPM10040XT |
11.5x10.0mmSPM10040-HZ SPM10054-HZ |
10.7x10.0mmSPM10065VT |
10.5x10.0mm||
12mm角 | SPM12565XT |
12.6x13.0mmSPM12565VT |
13.0x12.5mm
パワーインダクタとは?
パワーインダクタとはDC-DCコンバータなどの電源回路で使用されるインダクタのことで、パワーコイル、パワーチョークなどと呼ばれることもあります。インダクタは自己誘導作用によりエネルギーを蓄える性質をもっており、チョッパ方式のDC-DCコンバータなどは、このインダクタとスイッチング素子を組み合わせることにより、電圧の変換を行っています。(図9参照)
インダクタは工法によって積層タイプ、薄膜タイプ、巻線タイプに分けられますが、パワーインダクタには大電流を流せる巻線タイプが主流で、これにフェライトや軟磁性金属のコアを組み合わせた様々な製品があります。また小型、薄型化が可能な積層タイプ、薄膜タイプも近年では大電流化が進んできています。
デューティ比(スイッチング周期に対するON時間の比)
の設定により必要な電圧に降下させる。
スイッチングを繰り返す
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