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パワーインダクタSPMシリーズは、金属磁性粉末でコイルを一体成型したメタルコンポジットタイプの巻線インダクタです。フェライト系巻線インダクタと比べ、大電流、低Rdc、小型化が実現でき、直流重畳特性にも優れています。また漏れ磁束も少なくコイルの音鳴き対策にも有効な製品です。本記事ではその構造や特徴、用途など皆様に役立つ情報を解りやすく解説します。

製品の概要

SPMシリーズは金属磁性粉末でコイルを一体成型したインダクタです。低背型のSPM-LRシリーズや車載向けのSPM-HZやSPM-Vシリーズなど豊富なラインナップを取り揃えています。

図1:製品の概要
一般グレード 車載グレード
シリーズ
SPM
シリーズ
SPMシリーズ
標準仕様
SPM-CT
シリーズ
SPM-CTシリーズ
高周波用
製品概要 磁性粉末で巻線コイルを一体成形したインダクタ
Fe系の合金粉を採用することで、高飽和特性=大電流化を実現
磁性粉末で巻線コイルを一体成形したインダクタ
Fe系の合金粉を採用することで、高飽和特性=大電流化を実現した車載対応品
一般グレード品より幅広い使用温度範囲に対応(DZ、Vシリーズ)
特徴
  • キュリー温度が高く、環境温度に対する特性変化が小さい
  • 金属磁性材料でコイルを一体成形する構造により、うなり音/漏れ磁束を低減
  • キュリー温度が高く、環境温度に対する特性変化が小さい
  • 金属磁性材料でコイルを一体成形する構造により、うなり音/漏れ磁束を低減
  • AEC-Q200対応
  • 4~10㎜角の幅広いラインナップ
  • 高生産性
  • 独自の合金粉を使用し、
    高周波領域で低損失
  • L字端子による低背化
  • 3~5㎜角の小型形状
  • 外部端子接続不要で低RDC
  • 低インダクタンス領域に対応
  • 高生産性
  • 4~10㎜角の幅広いラインナップ
  • 高生産性
  • 小型低背
  • 30Gの耐振動性
  • 高生産性
  • 高インダクタンス
  • 高直流重畳特性
  • 0.1~100μHの幅広いラインナップ
  • 30Gの耐振動性
用途
  • LCD-TV、HDD
  • アミューズメント機器
  • その他AV機
  • ワイヤレスチャージャー
  • IJPヘッド駆動
  • ノートパソコン
  • タブレット端末
  • ゲーム機器
  • 基地局、サーバー
  • アミューズメント機器
  • 産業機器
  • カーアクセサリ
  • カーナビゲーション
  • カーオーディオ
  • ADAS
  • Start/Stop
  • エンジンECU
  • LED
  • ADAS
  • エンジンECU etc

製品の構造

各SPMシリーズの構造を図2に示します。一体成型方式の構造でまたワイヤーと端子の継線には溶接工法を採用しており高い信頼性を実現しています。

図2:製品の構造
一般グレード 車載グレード
シリーズ SPM SPM-CT SPM-LR SPM-XT SPM-HZ SPM-DZ SPM-V
製品構造
SPM-LRシリーズ
SPM-LRシリーズ

製品の特徴

SPM各シリーズの特徴を図3に示します。

図3:製品特徴一覧
シリーズ SPM SPM-CT SPM-LR SPM-XT SPM-HZ SPM-DZ SPM-V
外観
SPMシリーズ
SPM-CTシリーズ
SPM-LRシリーズ
SPM-XTシリーズ
SPM-HZシリーズ
SPM-Vシリーズ
使用温度
範囲
-40~125°C
(自己温度上昇含む)
-55~155°C
(自己温度上昇含む)
磁性材料 金属磁性材料
端子電極
仕様
金属端子+めっき ワイヤー一体端子電極+
めっき
金属端子+めっき
特徴 一般用途仕様 車載用途仕様
標準仕様 高周波HighQ仕様 低背仕様 大電流仕様 ~125℃対応 小型低背 高インダクタンス
高直流重畳特性

SPMシリーズの大きな特徴の一つが金属磁性コアです。フェライトコアと比較すると高い磁気飽和密度を持っており直流重畳特性に優れています。またキュリー温度が高く、環境温度による特性変化が小さいのも特徴です。

図4:金属磁性コアとフェライトコアの直流重畳特性比較

コア材特性による高い磁気飽和
優れた直流重畳特性

コア材による直流重畳特性
コア材による直流重畳特性
飽和磁束密度
飽和磁束密度
図5:環境温度による直流重畳特性の変化

コア材特性による高いキュリー温度
環境温度に対する温度変化性

温度による直流重畳特性
温度による直流重畳特性

SPMシリーズは磁性粉末で巻線コイルを一体成型している為コアギャップがなく、音鳴きが発生しにくい構造です。また漏れ磁束も少なく優れたシールド特性を持っています。

図6:一体成型による音鳴き低減

コアギャップレス(一体構造)による音鳴き低減
セット品質向上に寄与

Gapから音鳴きが発生
組合せコアタイプ
組合せコアタイプ

ギャップがない為、
音鳴きが発生しにくい
一体成型タイプ(SPM)
一体成型タイプ(SPM)
図7:漏れ磁束の比較

シールド構造で低漏れ磁束
EMI低減に効果

垂直近傍磁界測定結果

樹脂シールドタイプ
樹脂シールドタイプ
一体成型タイプ(SPM)
一体成型タイプ(SPM)
磁界強度
[dBµV]

製品一覧

各シリーズ、形状毎の製品一覧を図8に示します。タイプ名をクリックすると詳細な情報を見たりサンプルを購入する事ができます。

図8:製品一覧
  • 一般グレード
    一般グレード
  • 車載グレード
    車載グレード
サイズ SPM SPM-CT SPM-LR SPM-XT SPM-HZ SPM-DZ SPM-V
3mm角    
3.2x3.0mm
SPM3010-LR
SPM3012-LR
SPM3015-LR
SPM3020-LR
       
4mm角
4.2x4.0mm
SPM4030
 
4.4x4.1mm
SPM4010-LR
SPM4012-LR
SPM4015-LR
SPM4020-LR
 
4.2x4.0mm
SPM4030-HZ
4.3x4.0mm
SPM4020-DZ
 
5mm角
5.2x5.0mm
SPM5030
 
5.4x5.1mm
SPM5010-LR
SPM5012-LR
SPM5015-LR
SPM5020-LR
 
5.2x5.0mm
SPM5030-HZ
 
インダクタ,コイル:SPM5030VT-D
5.3x5.1mm
SPM5030VT
6mm角
7.1x6.5mm
SPM6530
SPM6550
7.1x6.5mm
SPM6550CT
   
7.1x6.5mm
SPM6530-HZ
SPM6550-HZ
 
7.0x6.5mm
SPM6545VT
7mm角            
7.5x7.0mm
SPM7054VT
SPM7054VC
10mm角
10.7x10.0mm
SPM10040
   
11.5x10.0mm
SPM10040XT
10.7x10.0mm
SPM10040-HZ
SPM10054-HZ
 
10.5x10.0mm
SPM10065VT
12mm角      
12.6x13.0mm
SPM12565XT
   
13.0x12.5mm
SPM12565VT

パワーインダクタとは?

パワーインダクタとはDC-DCコンバータなどの電源回路で使用されるインダクタのことで、パワーコイル、パワーチョークなどと呼ばれることもあります。インダクタは自己誘導作用によりエネルギーを蓄える性質をもっており、チョッパ方式のDC-DCコンバータなどは、このインダクタとスイッチング素子を組み合わせることにより、電圧の変換を行っています。(図9参照)
インダクタは工法によって積層タイプ、薄膜タイプ、巻線タイプに分けられますが、パワーインダクタには大電流を流せる巻線タイプが主流で、これにフェライトや軟磁性金属のコアを組み合わせた様々な製品があります。また小型、薄型化が可能な積層タイプ、薄膜タイプも近年では大電流化が進んできています。

図9:DC-DCコンバータ(チョッパ方式・降圧型)とインダクタ

デューティ比(スイッチング周期に対するON時間の比)
の設定により必要な電圧に降下させる。

スイッチングを繰り返す