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金属箔ラミネートフィルムを用いたパッケージの電気二重層キャパシタ(EDLC/スーパーキャパシタ)です。
低抵抗な電気二重層キャパシタ(EDLC/スーパーキャパシタ)は、ピーク出力の補助電源や、電源喪失時のバックアップ、エネルギーハーベスティング・回生エネルギー用蓄電に有効です。また、薄くて軽量であるため、モバイル製品に魅力的な形態です。
電気二重層キャパシタ(EDLC/スーパーキャパシタ)の最大の特長である「大容量」はそのままで、「低抵抗」による大電流の取り扱いが得意で、定格電圧は「3V以上」であるため使いやすい仕様となっています。電気二重層キャパシタ(EDLC/スーパーキャパシタ)は、クリーンな材料構成のデバイスです。

目次

コンデンサとしての位置づけ

電気二重層キャパシタ(EDLC/スーパーキャパシタ)は、その大きな容量により、大きなエネルギーを蓄えられます。
TDKの電気二重層キャパシタ(EDLC/スーパーキャパシタ)は、数mF〜500mFの大きな容量を蓄えることができます。
定格電圧は、3.2V〜4.2Vであり、電圧を上げなくても十分なエネルギーが得られます。また、低抵抗のためパワー密度に優れています。

図1 TDKのコンデンサ製品マップ(静電容量 - 定格電圧)

製品マップ(静電容量 - 定格電圧)

TDKでは様々な種類のコンデンサをラインナップしており、幅広い静電容量と電圧に対応しています。クリックすると詳細がご覧になれます。

セレクションガイド コンデンサ
カテゴリ 特徴
電気二重層
キャパシタ
(EDLC/スーパーキャパシタ)
電気二重層キャパシタ(EDLC/スーパーキャパシタ)
EDLCはコンデンサとバッテリ(二次電池)との中間的な蓄電エネルギーをもつコンデンサです。電解液に浸した活性炭電極の表面にイオンを吸着させ、電気二重層(Electric Double Layer)を形成することで電荷を蓄え、非常に大きな静電容量とエネルギー密度をもつ蓄電デバイスです。

電気二重層キャパシタ(EDLC/スーパーキャパシタ)は他のコンデンサと比較して非常に高い静電容量を有しており、且つ、高エネルギーの特性を有しています。
また、電池(LIB)と比較するとエネルギー密度(単位体積当たりに蓄えられる電力量)は劣るものの、パワー密度(単位体積当たりの出力電力)が高く瞬発力に優れたデバイスです。

TDKの電気二重層キャパシタ(EDLC/スーパーキャパシタ)は、他の電気二重層キャパシタ(EDLC/スーパーキャパシタ)よりパワー密度、エネルギー密度が高く設計されており、高エネルギー用途に適しています。

図2 アルミ電解コンデンサ/タンタルコンデンサ、リチウムイオンバッテリとのパワーとエネルギー密度の比較

電気二重層キャパシタ(EDLC/スーパーキャパシタ)の原理

電気二重層キャパシタ(EDLC/スーパーキャパシタ)は、電解液に浸した活性炭電極の表面にイオンを吸着させ、電気二重層(Electric Double Layer)を形成することで電荷を蓄えます。静電容量は、活性炭の界面に形成される電気二重層の面積に比例するため、比表面積の大きい活性炭を使用して電極を作成しております。電気二重層キャパシタ(EDLC/スーパーキャパシタ)は電極活物質の化学反応を伴わないため、急速な充放電が可能であることと、イオンの吸脱着という物理的な現象のため劣化が少なく充放電サイクル特性が優れています。TDKの電気二重層キャパシタ(EDLC/スーパーキャパシタ)は、対になる電極とセパレータ、電解液の最適化を行い、低抵抗化を実現しています。それを1パッケージに2つを入れて直列に接続することで、定格電圧を上げています。

図3 電気二重層キャパシタ(EDLC/スーパーキャパシタ)の原理

電気二重層キャパシタ(EDLC/スーパーキャパシタ)の種類

電気二重層キャパシタ(EDLC/スーパーキャパシタ)は、構造・形状から次のように分類されます。
チップ型やコイン型のような小型タイプから、円筒型・角型などを多数接続した大型モジュールなど、さまざまなタイプがあります。

図4 電気二重層キャパシタ(EDLC/スーパーキャパシタ)の種類
構造・形状 製品外観形状
チップ型
コイン型、モールド型
パウチ型、ラミネート型
円筒型、角形
モジュール
(円筒型・角形などを多数
接続したタイプ)
静電容量
《超小容量》0.1F以下
《小容量》0.1~1F程度
《中容量》1~100F程度
《大容量》100F以上
主なアプリケーション
各種電子機器のクロック、メモリバックアップ
家電・AV製品の待機電力
モバイル機器のバッテリ負荷平準化、高輝度LEDフラッシュや無線送信の電流アシスト、SSDの瞬間 停電バックアップ、エナジーハーベスティング
道路標示鋲、LED看板、玩具用小型モータの駆動
産業機器・自動車のエネルギー回生、UPS(無停電 電源装置)、
風力発電制御の非常用電源

TDK電気二重層キャパシタ(EDLC/スーパーキャパシタ)のラインナップと構造

電気二重層キャパシタ(EDLC/スーパーキャパシタ)はコンデンサのひとつですが、他のコンデンサと比較して非常に高い静電容量を有しています。
TDKの電気二重層キャパシタ(EDLC/スーパーキャパシタ)は、業界でもトップレベルの低抵抗を有しており、大きなパワー密度(単位体積当たりの出力電力)を持っていることから、瞬発力に優れたデバイスとなっています。EDLCが本来有している充放電サイクル寿命、安全性は確保したまま、パウチ型であるため、薄くて軽量な仕様を実現しています。

製品写真 特徴 高さ L×W寸法 静電容量 定格電圧 インピーダンス 使用温度範囲 シリーズ・タイプ 製品
カタログ
品番リスト
電気二重層キャパシタ,スーパーキャパシタ:EDLC041720
薄型
0.4mm
27 x 17mm
5 to 15mF
3.2V(連続)
5.0V(ピーク)
7Ω (1kHz)
-20 ~ +60°C
EDLC041720
(事前準備中)
pdf
154KB
電気二重層キャパシタ,スーパーキャパシタ:EDLC212520
低背型
2.1mm
20 x 25mm
(端子含まず)
350mF
4.2V(連続)
5.5V(ピーク)
55mΩ (1kHz)
-40 ~ +70°C
EDLC212520
pdf
143KB
電気二重層キャパシタ,スーパーキャパシタ:EDLC262520
2.6mm
500mF
35mΩ (1kHz)
-40 ~ +70°C
EDLC262520
pdf
143KB
電気二重層キャパシタ,スーパーキャパシタ:EDLC302520
2.7mm
500mF
4.2V(連続)
5.5V(ピーク)
95mΩ (1kHz)
-20 ~ +85°C
EDLC302520
(事前準備中)
pdf
153KB
電気二重層キャパシタ,スーパーキャパシタ:EDLC371420
小サイズ型
3.7mm
20 x 14mm
(端子含まず)
500mF
4.2V(連続)
5.5V(ピーク)
40mΩ (1kHz)
-40 ~ +70°C
EDLC371420
pdf
143KB
電気二重層キャパシタ,スーパーキャパシタ:EDLC381420
3.8mm
500mF
3.2V(連続)
4.2V(ピーク)
70mΩ (1kHz)
-30 ~ +85°C
EDLC381420
pdf
143KB

TDKの電気二重層キャパシタ(EDLC/スーパーキャパシタ)は巻回タイプと薄型の積層タイプの2種類があります。
巻回タイプは電極とセパレータを同時に巻回したセル2個をアルミラミネートフィルムを用いて封入しています。また、薄型の積層タイプは電極とセパレータを積層し、ステンレスラミネートフィルムを用いて封入し、高い曲げ強度を維持し、屈曲、ねじれ試験に対応しています。

図5 TDK電気二重層キャパシタ(EDLC/スーパーキャパシタ)の構造

TDK電気二重層キャパシタ(EDLC/スーパーキャパシタ)の特徴

電気二重層キャパシタ(EDLC/スーパーキャパシタ)は、活性炭電極の表面で、電解液内のイオンが吸脱着することで、充放電を行います。
電極表面での化学反応を伴わないため急速な充放電が可能であることと、イオンの吸脱着という物理的な現象のため劣化が小さいことから、充放電サイクル特性が優れています。

図6左のグラフはTDK電気二重層キャパシタ(EDLC/スーパーキャパシタ)に5.5V充電とし、20A-5ms放電と0.9A充電の2万回の充放電サイクルを繰り返した時の電気的特性の変化を示したものです。充放電サイクルによる特性変化はほとんど起こりません。
このように、大きな電流の充放電に対しても、安心してお使いいただける製品となっています。

図6 充放電サイクルに強い

測定条件

EDLC262520-501-2F-40
静電容量 : 500 mF
インピーダンス @1kHz : 35mΩ typ.

電気二重層キャパシタ(EDLC/スーパーキャパシタ)を構成している主な材料は、活性炭とアルミニウム、イオン性電解液です。
これらが化学反応を伴わないメカニズムで充放電を繰り返して、コンデンサの機能を実現します。
安全でクリーンな材料構成・メカニズムですので、例えば、満充電状態にて釘刺しや折り曲げ、加熱を行っても、発火・発煙の危険性はありません。

図7 発火・発煙の危険性が無い

TDK電気二重層キャパシタ(EDLC/スーパーキャパシタ)の使い方

TDK電気二重層キャパシタ(EDLC/スーパーキャパシタ)の特徴を活かした使い方です。

電池の出力限界をアシストすることで、電池単独で断念していた機能を実現可能とします。
電力喪失時のバックアップとして、単体当たりでの大きなエネルギーを活かせます。また、微弱なエネルギーや回収エネルギーを溜めることで、エネルギーの有効活用ができます。

図8  TDK電気二重層キャパシタ(EDLC/スーパーキャパシタ)の使い方

バッテリーアシスト : 電池駆動における画面の書き換え時のパワーアシスト / 電子ペーパーでの使用例

「電子ペーパー」は画面表示を行う際、その画面の大きさ、書き換え速度により、必要とする電力が変わります。
大きな電流を流すことで、画面表示速度がスムースとなり、実際の紙をめくるような感覚でページ送り操作ができたり、小さな図や表のなどの拡大表示も快適になります。
搭載しているバッテリーから大きな電流を流すにはより低抵抗のバッテリーが必要になりますが、サイズが大きいものになっていき重量が増していきます。
そこで大きなバッテリーを使用せず、EDLCで電流アシストすることで、バッテリーの負荷軽減と合わせて軽量化を実現できます。

図9  バッテリーアシスト : 電池駆動における画面の書き換え時のパワーアシスト / 電子ペーパーでの使用例

バッテリーアシスト : 電池駆動における高負荷時の電圧平準化 / ポータブルオーディオプレーヤでの使用例

急激な電力変化が発生するオーディオ機器において、電気二重層キャパシタ(EDLC/スーパーキャパシタ)から瞬間的に大電力をアンプ部に供給しバッテリーをアシストします。

ポータブルオーディオプレーヤなどにはD級アンプが用いられます。D級アンプはPWM変調器と2つの出力用パワーMOSFET、ノイズサプレッションフィルタ(含LPF用インダクタ)、ESD保護機能付きノッチフィルタからなるローパス・フィルタの回路ブロックから構成されます。
出力用パワーMOSFET(下記例ではPVCC部)にTDK電気二重層キャパシタ(EDLC/スーパーキャパシタ)を組み合わせることにより、急激な電力変化が発生した場合でも電気二重層キャパシタ(EDLC/スーパーキャパシタ)から瞬間的に大電力をアンプ部に供給することによりバッテリーをアシストします。

図10  バッテリーアシスト : 電池駆動における高負荷時の電圧平準化 / ポータブルオーディオプレーヤでの使用例

バッテリーアシスト : 電池駆動における無線送信時のパワーアシスト / 水道、ガス用スマートメータでの使用例

水道・ガススマートメータは高機能化が進み、無線による情報伝達機能が追加されてきています。
水道・ガススマートメータは電力源としてバッテリーを使用していますが、無線の機能向上とともに、電力アシストが必要となってきています。
電気二重層キャパシタ(EDLC/スーパーキャパシタ)の電源アシストが有効であり、かつ小型形状であるパウチ型が着目されています。

図11  バッテリーアシスト : 電池駆動における無線送信時のパワーアシスト / 水道、ガス用スマートメータでの使用例

電源アシスト : 指紋センサの動作時の電源アシスト / 指紋認証カードでの使用例

「指紋認証カード」では、指紋センサの動作時の電源アシストとして使用します。
NFC端末は多くの種類があり、供給できる電力に差があります。現在普及している端末でもスムースにカード認証動作させるために、電気二重層キャパシタ(EDLC/スーパーキャパシタ)が有効となります。
カードは生体認証データが外部に漏洩しないので、セキュリティーの高さが着目されており、それを実現する「薄い」電気二重層キャパシタ(EDLC/スーパーキャパシタ)が有用となっています。
また、安全なデバイス構成のカードとなっており、安心して廃棄処分することができます。

端末にカードをかざすと、NFCコイルの電磁誘導による電力を、電気二重層キャパシタ(EDLC/スーパーキャパシタ)に瞬間で充電します。 この蓄電したエネルギーを指紋センサ動作電力に供給することで、確実な動作をサポートします。

図12  電源アシスト : 指紋センサの動作時の電源アシスト / 指紋認証カードでの使用例

パワーバックアップ : 電源喪失時のバックアップ(Last Gasp) / SSDでの使用例

予期しない電源遮断時のバックアップ電源向けに大容量の電気二重層キャパシタ(EDLC/スーパーキャパシタ)は向いており、SSD用などのパワーロスプロテクションに使用可能です。

エンタープライズSSD向けなどは、NAND型フラッシュメモリを記憶素子としており、データ書き込みにおいて一時的にDRAMのキャッシュメモリーにデータを保管し、まとめてデータをフラッシュメモリに書き込むことでデータ書き込み速度を向上させています。
予期しない電源遮断が発生した場合、キャッシュメモリーにあるデータを確実にNAND型フラッシュメモリーに書き込むために、一般的に複数のコンデンサを搭載し、パワーロスプロテクション対策が取られております。
このパワーロスプロテクション用に大容量電気二重層キャパシタ(EDLC/スーパーキャパシタ)に置き換えることが可能となります。

図13  パワーバックアップ : 電源喪失時のバックアップ(Last Gasp) / SSDでの使用例

微小エネルギー蓄電 : 環境発電の微小なエネルギーを蓄え、必要なタイミングで蓄えたエネルギーを供給 / バッテリーレス無線通信センサでの使用例

TDKの電気二重層キャパシタ(EDLC/スーパーキャパシタ)は低インピーダンスのため、エネルギーハーべスティングの不安定な発電量に対しても優れた充電が可能で、アプリケーションに適した放電を行うことができ、エネルギーハーベスティング向けのアプリケーションに適しています。

太陽電池による環境発電した電力を電気二重層キャパシタ(EDLC/スーパーキャパシタ)に蓄電し、センサ(温度、湿度等)で取得したデータを無線通信を用いて一定間隔で送信を行うことが可能です。

図14  微小エネルギー蓄電 : 環境発電の微小なエネルギーを蓄え、必要なタイミングで蓄えたエネルギーを供給 / バッテリーレス無線通信センサでの使用例

回生エネルギー蓄電 : 回生エネルギーを蓄電しバッテリーアシスト / 小型モーターでの使用例

回生エネルギーによる余剰回生電力の活用は、今後のさらなる省エネルギー化に貢献する技術です。
小型ロボットの普及も進んでいく中、その余剰電力を効率よくバッテリーに貯蔵するために、電気二重層キャパシタ(EDLC/スーパーキャパシタ)が使われます。
不安定なエネルギーを電気二重層キャパシタ(EDLC/スーパーキャパシタ)を介することで、安定的に動作します。
蓄えたエネルギーを、動作時の大きなエネルギーとしてのアシストも兼ねることができます。

図15  回生エネルギー蓄電 : 回生エネルギーを蓄電しバッテリーアシスト / 小型モーターでの使用例