インダクタ(コイル)

テックノート

プロダクトオーバービュー パワーインダクタ SPMシリーズ

パワーインダクタ SPMシリーズパワーインダクタSPMシリーズは、金属磁性粉末でコイルを一体成型したメタルコンポジットタイプの巻線インダクタです。フェライト系巻線インダクタと比べ、大電流、低Rdc、小型化が実現でき、直流重畳特性にも優れています。また漏れ磁束も少なくコイルの音鳴き対策にも有効な製品です。本記事ではその構造や特徴、用途など皆様に役立つ情報を解りやすく解説します。

製品の概要

SPMシリーズは金属磁性粉末でコイルを一体成型したインダクタです。低背型のSPM-LRシリーズや車載向けのSPM-HZシーリーズなど豊富なラインナップを取り揃えています。

図1:製品の概要
シリーズ
製品概要

メタルコンポジット
タイプインダクタ

磁性粉末で巻線コイルを一体成形したインダクタです。
Fe系の合金粉を採用することで高飽和特性=大電流化を実現し、幅広い製品サイズのラインナップを有したシリーズです。

メタルコンポジット
タイプ
低背型インダクタ

磁性粉末で巻線コイルを一体成形したインダクタです。
Fe系の合金粉を採用することで高飽和特性=大電流化を実現し、独自の端子形状により低背(H=1.0~2.0㎜)を可能にしています。

メタルコンポジット
タイプ
大型インダクタ

磁性粉末で巻線コイルを一体成形したインダクタです。
Fe系の合金粉を採用することで高飽和特性=大電流化を実現。ワイヤー共線電極構造による外付端子レスのシンプル構造です。

メタルコンポジット
タイプ
高周波用インダクタ

磁性粉末で巻線コイルを一体成形したインダクタです。
独自の合金粉を採用することで、高飽和特性に加え、高周波領域での低損失化を実現しています。

メタルコンポジット
タイプ
車載用インダクタ

磁性粉末で巻線コイルを一体成形したインダクタです。
Fe系の合金粉を採用することで高飽和特性=大電流化を実現。
車載環境を考慮したシリーズです。

メタルコンポジット
タイプ
車載用インダクタ

磁性粉末で巻線コイルを一体成形したインダクタです。
Fe系の合金粉を採用することで高飽和特性=大電流化を実現。
SPM-HZシリーズに比べて、車載環境における使用温度範囲を広げたシリーズです。
特徴
  • 4~10㎜までの幅広い製品ラインナップ
  • 高温環境下でのインダクタンスの変化が少ない
  • 金属磁性材料でコイルを一体成形する構造によりうなり音/漏れ磁束を低減
  • 高品質、高生産性による安定供給
  • L字形状の端子による低背化を実現
  • 高温環境下でのインダクタンスの変化が少ない
  • 金属磁性材料でコイルを一体成形する構造によりうなり音/漏れ磁束を低減
  • 低インダクタンス領域に対応
  • 高温環境下でのインダクタンスの変化が少ない
  • 金属磁性材料でコイルを一体成形する構造によりうなり音/漏れ磁束を低減
  • 高品質、高生産性による安定供給
  • 独自の合金粉採用により高周波領域で低損失=高いQ特性を実現
  • 高温環境下でのインダクタンスの変化が少ない
  • 金属磁性材料でコイルを一体成形する構造によりうなり音/漏れ磁束を低減
  • AEC-Q200対応
  • 4~10㎜までの幅広い製品ラインナップ
  • 高温環境下でのインダクタンスの変化が少ない
  • 金属磁性材料でコイルを一体成形する構造によりうなり音/漏れ磁束を低減
  • 高品質、高生産性による安定供給
  • AEC-Q200対応
  • 1~100uHまでの幅広いラインナップ展開
  • 高温環境下でのインダクタンスの変化が少ない
  • 耐振動構造による30Gの耐振動性
  • 金属磁性材料でコイルを一体成形する構造によりうなり音/漏れ磁束を低減
用途
  • LCD-TV、HDD
  • アミューズメント機器
  • その他AV機
  • ノートパソコン
  • タブレット端末
  • ゲーム機器
  • 基地局、サーバー
  • アミューズメント機器
  • 産業機器
  • ワイヤレスチャージャー
  • IJPヘッド駆動
  • カーアクセサリ
  • 電動パワステ
  • ヘッドライト etc
  • LED
  • ADAS
  • エンジンECU etc

製品の構造

各SPMシリーズの構造を図2に示します。一体成型方式の構造でまたワイヤーと端子の継線には溶接工法を採用しており高い信頼性を実現しています。

図2:製品の構造
シリーズ SPMシリーズ SPM-LRシリーズ SPM-XTシリーズ SPM-CTシリーズ SPM-HZシリーズ SPM-VTシリーズ
製品構造
SPMシリーズ
  • ワイヤー
  • 端子
SPMシリーズ
  • 金属コア
  • 溶接
SPM-LRシリーズ
  • ワイヤー
  • 端子
SPM-LRシリーズ
  • 金属コア
  • 溶接
SPM-XTシリーズ
  • ワイヤー
  • 半田メッキ
SPM-XTシリーズ
  • 金属コア
  • ワイヤー共線電極
SPM-CTシリーズ
  • ワイヤー
  • 端子
SPM-CTシリーズ
  • 金属コア
  • 溶接
SPM-HZシリーズ
  • 接着剤
  • ワイヤー
  • 端子
SPM-HZシリーズ
  • 金属コア
  • 溶接
SPM-VTシリーズ
  • 接着剤
  • ワイヤー
  • 端子
SPM-VTシリーズ
  • 金属コア
  • 溶接

製品の特徴

SPM各シリーズの特徴を図3に示します。

図3:製品特徴一覧
シリーズ SPMシリーズ SPM-LRシリーズ SPM-XTシリーズ SPM-CTシリーズ SPM-HZシリーズ SPM-VTシリーズ
外観 SPMシリーズ SPM-LRシリーズ SPM-XTシリーズ SPM-CTシリーズ SPM-HZシリーズ SPM-VTシリーズ
使用温度
範囲
-40~125°C
(自己温度上昇含む)
-55~155°C
(自己温度上昇含む)
磁性材料 金属磁性材料
端子電極
仕様
金属端子+メッキ ワイヤー共線電極+メッキ 金属端子+メッキ
特徴 標準仕様 低背仕様 大電流仕様 高周波HighQ仕様 車載用途仕様40V保証車載用途仕様

SPMシリーズの大きな特徴の一つが金属磁性コアです。フェライトコアと比較すると高い磁気飽和密度を持っており直流重畳特性に優れています。またキュリー温度が高く、環境温度による特性変化が小さいのも特徴です。

図4:金属磁性コアとフェライトコアの直流重畳特性比較

コア材特性による高い磁気飽和
優れた直流重畳特性

コア材による直流重畳特性
コア材による直流重畳特性
飽和磁束密度
飽和磁束密度
図5:環境温度による直流重畳特性の変化

コア材特性による高いキュリー温度
環境温度に対する温度変化性

温度による直流重畳特性
温度による直流重畳特性

SPMシリーズは磁性粉末で巻線コイルを一体成型している為コアギャップがなく、音鳴きが発生しにくい構造です。また漏れ磁束も少なく優れたシールド特性を持っています。

図6:一体成型による音鳴き低減

コアギャップレス(一体構造)による音鳴き低減
セット品質向上に寄与

Gapから音鳴きが発生
組合せコアタイプ
組合せコアタイプ

ギャップがない為、
音鳴きが発生しにくい
一体成型タイプ(SPM)
一体成型タイプ(SPM)
図7:漏れ磁束の比較

シールド構造で低漏れ磁束
EMI低減に効果

垂直近傍磁界測定結果

樹脂シールドタイプ
樹脂シールドタイプ
一体成型タイプ(SPM)
一体成型タイプ(SPM)

製品一覧

各シリーズ、形状毎の製品一覧を図8に示します。タイプ名をクリックすると詳細な情報を見たりサンプルを購入する事ができます。

図8:製品一覧
  • 一般グレード一般グレード
  • 車載グレード車載グレード
サイズ
(mm)
SPMシリーズ SPM-LRシリーズ SPM-XTシリーズ SPM-CTシリーズ SPM-HZシリーズ SPM-VTシリーズ
3mm角   3.2x3.0mm
SPM3010-LR
SPM3012-LR
SPM3015-LR
SPM3020-LR
       
4mm角 4.2x4.0mm
SPM4030
4.4x4.1mm
SPM4010-LR
SPM4012-LR
SPM4015-LR
SPM4020-LR
    4.2x4.0mm
SPM4030-HZ
 
5mm角 5.2x5.0mm
SPM5030
5.4x5.1mm
SPM5010-LR
SPM5012-LR
SPM5015-LR
SPM5020-LR
    5.2x5.0mm
SPM5030-HZ
 
6mm角 7.1x6.5mm
SPM6530
SPM6550
    7.1x6.5mm
SPM6550CT
7.1x6.5mm
SPM6530-HZ
SPM6550-HZ
 
7mm角           7.5x7.0mm
SPM7054VT
10mm角 10.7x10.0mm
SPM10040
  11.5x10.0mm
SPM10040XT
  10.7x10.0mm
SPM10040-HZ
SPM10054-HZ
10.5x10.0mm
SPM10065VT
12mm角     12.6x13.0mm
SPM12565XT
    13.0x12.5mm
SPM12565VT

パワーインダクタとは?

パワーインダクタとはDC-DCコンバータなどの電源回路で使用されるインダクタのことで、パワーコイル、パワーチョークなどと呼ばれることもあります。インダクタは自己誘導作用によりエネルギーを蓄える性質をもっており、チョッパ方式のDC-DCコンバータなどは、このインダクタとスイッチング素子を組み合わせることにより、電圧の変換を行っています。(図9参照)
インダクタは工法によって積層タイプ、薄膜タイプ、巻線タイプに分けられますが、パワーインダクタには大電流を流せる巻線タイプが主流で、これにフェライトや軟磁性金属のコアを組み合わせた様々な製品があります。また小型、薄型化が可能な積層タイプ、薄膜タイプも近年では大電流化が進んできています。

図9:DC-DCコンバータ(チョッパ方式・降圧型)とインダクタ

デューティ比(スイッチング周期に対するON時間の比)
の設定により必要な電圧に降下させる。

スイッチングを繰り返す