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TDKでは、サージ電圧によって機器を故障させないための積層チップバリスタをラインナップしております。TDK Product Center では、さまざまな電気特性を記した製品個別データシートや製品カタログをご覧頂くことができます。しかし、①データシートの見方や活用方法が示されていない。②サージ電圧の対策に最適な部品の絞り込みが難しい。ことから、部品選定~評価に時間を費やすことが課題です。
これらの課題を解決するために、サージ電圧の対策に最適な部品選定可能な、積層チップバリスタのシミュレーションツールをご紹介致します。

目次

概要動画

使用説明動画

チャプター

  • 0:17
    シミュレーション条件の入力方法

  • 2:40
    シミュレーション結果の説明

  • 4:24
    パルスディレーティングカーブの判定基準

  • 5:20
    パルスディレーティングカーブの説明

チップバリスタ/セラミック過渡電圧サプレッサ シミュレーション

チップバリスタ/セラミック過渡電圧サプレッサ シミュレーションを使用するには、下記のWebリンク 又は、弊社HP Product Centerサイトの、①技術試験、 ②TDK SIM/CAL STUDIO、 ③電圧/電流/温度保護素子 内のチップバリスタ/セラミック過渡電圧サプレッサ シミュレーション よりアクセスすることができます。

下記が、チップバリスタ/セラミック過渡電圧サプレッサ シミュレーションツールのトップ画面です。 順を追って必要情報を入力していきましょう。

シミュレーションツール使用手順

■手順-1 - サージ波形のピーク電圧、パルス幅を入力します。

図1のような、問題となったサージ波形を入手し、方形波への置き換えを行います。
その際、ピーク電圧は変更せず、方形波のパルス幅を調整し合わせこみます。

■手順-2 - サージ波形の繰返し周期、印加回数と、DC電圧を入力します。

図3のサージ波形のイメージのように、ピーク電圧とパルス幅に次いで、回路に印加されるDC電圧とサージ波形の繰返し周期を入力します。
また、対応したいパルス印加回数を入力します。

■手順-3 - ノイズ源とバリスタ回路を作成します。

サージ波形に対応可能な製品を選定するため、ノイズ源とチップバリスタをシンプルな回路に置き換えます。
回路定数:R(出力インピーダンス)も設定します。

■手順-4 - チップバリスタの製品形状と製品名を選択します。

お客様の回路上でサージ対策に使用予定のチップバリスタの “チップサイズ” を選択します。
また、表示された ”Part#” の中から、使用予定のチップバリスタ製品名を選択します。

以上で、シミュレーションに必要な情報の入力は完了です。 “シミュレーション” ボタンをクリックします。

シミュレーション結果

■結果-1 - 判定結果

お客様の回路上の対策が必要なサージ電圧波形に対し、選択した製品が対応しているかどうか判定が表示されます。

■結果-2 - シミュレーション結果

判定結果には、お客様に入力頂いた条件を元に、シミュレーションした結果も表示されます。

■結果-3 - サージ波形と出力波形(イメージ)

“シミュレーション結果:入力パルス” は、お客様自身が入力されたサージ波形の条件と、サージ電圧が選択したバリスタによって抑制される電圧(Vz)の関係を示しています。
イメージ図になっているため、グラフ軸の数値は正確ではありませんが、入力波形と出力波形全体のイメージを捉えることができます。

■結果-4 - チップバリスタの電流-電圧特性と負荷電圧・電流

“シミュレーション結果:電流-電圧” は、選択したバリスタの電流-電圧特性と、サージ波形の印加時、バリスタに加わる電圧や電流を示しています。

■結果-5 - パルスディレーティングカーブの判定基準

“シミュレーション結果:パルスディレーティングカーブ” の、判定基準を示しています。
このグラフは、横軸:パルス印加回数、縦軸:パルス幅を示しています。 青色データは、選択したバリスタに加えることができる、パルス幅-パルス回数の限界値を示しており、赤色データは、お客様自身が入力されたサージ波形の条件をそれぞれ示しています。
赤色データが、青色データよりも下側の青色の領域に入っている場合は、入力条件に対応可能であり、Pass判定されます。
一方、青色データよりも上側の場合は、対応不可であり、Fail判定されます。

■結果-6 - パルスディレーティングカーブ

“シミュレーション結果:パルスディレーティングカーブ” を示しています。
赤色データ(お客様のサージ条件)が、青色データ(選択した製品の限界値)よりも下側にあります。
これは、お客様条件でのサージが、選択した製品に加わっても問題無く使用可能であることを意味します。
ですから、判定結果はPassとなります。

赤色データ(お客様のサージ条件)が、青色データ(選択した製品の限界値)よりも上側にある場合には、お客様条件のサージは、製品の限界値を超えているため、使用不可であることを意味します。 判定結果はFail(この部品番号は使用できません。) となります。

■結果-7 - シミュレーション履歴

シミュレーション結果は、下部に履歴表示されます。
再確認したい条件は、”再表示”ボタンをクリックしてください。

推奨製品リスト

サージ対策用には、下記のような高サージ電流耐量の製品を推奨しております。
上記のシミュレーションによって、対応可能な製品が見つからない場合は、下記製品を選択してシミュレーションをお試し頂きたいと思います。

品番 代理店在庫 ブランド 用途 機能 用途詳細 製品形状 L x W 寸法
AVRM1608C270KT221M Buy Now TDK ≥15kV ESD≥25kV ESDAEC-Q200150°C LIN/CXPI 2 Terminal 1.6mm x 0.8mm
[EIA 0603]
AVRM1608C390KT271N Buy Now TDK ≥15kV ESD≥25kV ESDAEC-Q200150°C Motor 2 Terminal 1.6mm x 0.8mm
[EIA 0603]
AVRM2012C330KT801N Buy Now TDK ≥15kV ESD≥25kV ESDAEC-Q200150°C Speaker 2 Terminal 2.0mm x 1.25mm
[EIA 0805]
AVRM2012C560KT251M Buy Now TDK ≥15kV ESD≥25kV ESDAEC-Q200150°C 2 Terminal 2.0mm x 1.25mm
[EIA 0805]

まとめ

従来の製品個別データシートや製品カタログを用いた部品選定では、下記が課題となっていました。

  • ①データシートの見方や活用方法が示されていない。
  • ②サージ電圧の対策に最適な部品の絞り込みが難しい。
  • ③部品選定~評価に時間を費やす。

これらの課題を解決するために、サージ電圧の対策に最適な部品選定可能な、積層チップバリスタのシミュレーションツールを作成しました。
このシミュレーションツールを用いることで、上記の課題を解決することができます。

✓ お客様条件を入力することで、条件に対応した製品を選定することができる。

また、製品個別データシートや製品カタログの情報では判断できなかった、次のような特性も確認することができるようになりました。

✓ サージ波形の繰返し印加に対しても、対応可否をシミュレーションすることができる。
✓ 製品特性の限界値に対して、マージンを確認することができる。

チップバリスタ/セラミック過渡電圧サプレッサ シミュレーションをご活用頂き、お客様回路のサージ対策設計の一助になれば幸いです。