超小型メタルパワーインダクタ PLEシリーズ
当社独自の構造設計と新たな開発材料を用い、薄膜工法によって幅広いインダクタンス値を実現しています。
本記事ではその構造や特徴、用途など皆様に役立つ情報を解りやすく解説します。
超小型メタルパワーインダクタ PLEシリーズとは
PLEシリーズの概要を図1に示します。
タイプ | PLE856C / PLEA67B | PLEA85D |
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製品概要 |
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特徴 |
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用途 |
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超小型で高インダクタンスを実現するPLEシリーズの構造
PLEシリーズの構造を図2に示します。
PLEシリーズは、薄膜HDDヘッドの技術を応用した薄膜工法と高精度の積層プロセス技術によって、超小型で幅広いインダクタンス値を実現したインダクタです。
コイル巻き方向と形状が異なる3種類をラインアップしています。
コイル縦巻タイプ | コイル横巻タイプ |
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PLE856Cタイプの構造
PLEA67Bタイプの構造
端子電極
端子電極
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PLEA85Dタイプの構造
端子電極
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超小型パワーインダクタに最適な薄膜工法を用いたPLEシリーズは、以下のような特徴をもっています。
・薄膜工法によって高精度な積層を実現し、ばらつきを抑制
・2巻/層以上を実現し、小型形状にも関わらず、高インダクタンスまでラインアップが可能
PLEシリーズは、新規に開発した高透磁率かつ低ロスの金属磁性材料を用い、低損失・高効率を実現しました。
図3に薄膜工法およびPLEシリーズで使用している金属磁性材料を示します。
小型ウェアラブル機器に最適化したPLEシリーズの特徴
①コイルの巻き方向が異なる2つのラインアップ
PLEシリーズはフルシールド構造のため漏洩磁束を抑制し、高密度実装環境下におけるノイズの影響を低減します。
発生する磁束の方向はコイルの巻き方向により異なり、用途に応じて最適なタイプをお選び頂くことができます。
タイプ | PLE856C / PLEA67B | PLEA85D |
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漏洩磁束の向き | 漏洩磁束は基板に対して水平方向 →基板面に影響を及ぼすノイズを低減 |
漏洩磁束は基板に対して垂直方向 →周辺部品へのノイズ干渉を低減 |
②低消費電力デバイスに適した製品特性
小型バッテリーで駆動されるウェアラブルデバイスは、低消費電力が要求されるため、電源駆動方式にPFM(Pulse Frequency Modulation)が使用されます。
PFMはPWM(Pulse Width Modulation)と比較すると、軽負荷時にスイッチング回数を低減することができるため、消費電力を低く抑えられるメリットがあります。
一方でPFMでは、インダクタに流れる交流電流の割合が大きいため、ACR特性が重要です。(図5)
PLEシリーズは低ロス材料の採用によりACRが低いため、より大きい形状のフェライトインダクタと比べて高い電源効率を実現しています。
PLEシリーズの使用用途
PLEシリーズの使用事例を図7の青枠で示します。
超小型形状であるため、TWSや通信モジュール等の高密度実装が必要なデバイスに最適な製品です。
製品の小型・軽量化、電源回路の高効率に貢献します。
PLEシリーズのラインアップ一覧
下記リンクをクリックすると、PLEシリーズの詳細な情報を見たり、サンプルを購入することができます。
さらなるラインアップの拡充を図り、お客様の多種多様なインダクタニーズに対応してまいります。
パワーインダクタとは?
パワーインダクタとはDC-DCコンバータなどの電源回路で使用されるインダクタのことで、パワーコイル、パワーチョークなどと呼ばれることもあります。インダクタは自己誘導作用によりエネルギーを蓄える性質をもっており、チョッパ方式のDC-DCコンバータなどは、このインダクタとスイッチング素子を組み合わせることにより、電圧の変換を行っています。(図9参照)
インダクタは工法によって積層タイプ、薄膜タイプ、巻線タイプに分けられますが、パワーインダクタには大電流を流せる巻線タイプが主流で、これにフェライトや軟磁性金属のコアを組み合わせた様々な製品があります。また小型、薄型化が可能な積層タイプ、薄膜タイプも近年では大電流化が進んできています。